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薬食審・第一部会 NBIの3成分配合降圧薬が継続審議に 配合意義の説明不十分

公開日時 2016/04/21 03:52

厚労省の薬食審・医薬品第一部会は4月20日、新薬など5製品の承認の可否について審議し、4製品の承認を了承したが、日本ベーリンガーインゲルハイム(NBI)が承認申請した配合降圧薬ミカトリオ配合錠は継続審議扱いとなった。同剤はテルミサルタン、アムロジピンベシル酸塩、ヒドロクロロチアジドを配合したもので、3成分配合降圧薬は現在承認されていない。2成分で十分な効果が得られていない場合の選択肢という位置付けだが、それに対し同省担当官の説明によると、一部委員から、3成分を配合する意義をもっと調べた方がよいなどとする意見が出て、了承が見送られた。今後、申請企業に対し処方実態やそれに基づく配合の合理的理由について説明をもらい、改めて審議する方針。

承認が了承されたのは以下のとおり。

【審議品目】(カッコ内は成分名と申請社名)

オクノベル錠150mg、同錠300mg、同内用懸濁液6%(オクスカルバゼピン、ノーベルファーマ):「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て開発要請されていた。国内の臨床試験で増量間隔を3日間としたところ、増量時での重篤な皮膚障害が確認された。ただ、増量後の維持用量ではこの副作用はみられないという。このため欧州での臨床試験や用法・用量を踏まえ、日本でも欧州と同様、「増量は1週間以上の間隔をあけて」増量するとの用法・用量となった。ただ、1週間以上の間隔をあけて増量した日本人データがないことから、承認条件として、同剤を処方できる医師を限定するとともに、有効性・安全性を確認するための製造販売後臨床試験を速やかに実施することとなった。

4歳以上の小児に用いるが、小児期から服薬している患者は成人になっても服用できる。

同剤は、カルバマゼピン(製品名:テグレトール)の中枢神経系や消化器系の副作用軽減を目的に、カルバマゼピンの化学構造をわずかに変化させた類縁化合物。臨床上の位置付けは、他の第二世代抗てんかん薬と同様、第二選択薬に位置づけられる。なお、海外の主要ガイドラインでは第一選択薬である。海外では15年2月現在、欧米など93の国・地域で、小児及び成人てんかん患者の部分発作に対する併用療法または単剤療法で承認済。

ボトックスビスタ注用50単位(A型ボツリヌス毒素、アラガン・ジャパン):「65歳未満の成人における目尻の表情皺」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間4年。

「目尻の表情皺」の効能・効果をもつ国内初の医薬品。保険適用外で用いる。これまでの効能・効果である「眉間の表情皺」と同様、「目尻」でも、▽必要な講習を受け、施注手技に関する十分な知識・経験のある医師のみ使用できる▽使用後に安全・確実な失活・廃棄などが適正に行われるようにする――が承認条件となった。

神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害することで、筋弛緩作用を示す。海外では15年10月現在、66の国・地域で、顔面の表情皺に関する効能・効果で承認済。

エピデュオゲル(アダパレン/過酸化ベンゾイル、ガルデルマ):「尋常性ざ瘡」を効能・効果とする新医療用配合薬。再審査期間は22年12月25日まで(過酸化ベンゾイルと同一の有効成分を含有するベピオゲル2.5%の再審査期間と合致)。

レチノイド様活性及び抗炎症作用を持つアダパレンと、抗菌活性を持つ過酸化ベンゾイルを配合することで、患者のコンプライアンスや利便性を向上させる。尋常性ざ瘡治療薬は重症度や皮疹の種類に基づき単剤や併用療法が選択されるが、同配合剤は▽炎症性皮疹が多い患者▽単剤で効果不十分な患者▽アダパレンと過酸化ベンゾイルの併用患者――などに対する治療選択肢となり得る。その根拠として、米国のガイドラインで中等度までの患者では単剤が推奨されていること、国内フェーズ3試験で単剤群と比較して皮膚刺激の発現割合が高いことを挙げている。海外では15年7月現在、欧米など56カ国で承認済。

ピコプレップ配合内用薬(ピコスルファートナトリウム水和物、酸化マグネシウム、無水クエン酸、フェリング・ファーマ):「大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除」を効能・効果とする新医療用配合薬。再審査期間6年。

風味など、より服用しやすい製剤として開発された。用法・用量は、「通常、成人には、1回1包を約150mLの水に溶解し、検査又は手術前に2回経口投与する。1回目の服用後は、1回250mLの透明な飲料を数時間かけて最低5回、2回目の服用後は1回250mLの透明な飲料を検査又は手術の2時間前までに最低3回飲用する」というもので、検査又は手術の前日と当日に分けて2回投与する場合と、前日に2回投与する場合で服用方法が異なる。類薬にはニフレック配合内用薬などがあり、同剤は腸管洗浄剤の選択肢のひとつ。海外では16年2月現在、海外69カ国で、大腸内視鏡検査の前処置の適応で承認済。

フェブリク錠10mg、同20mg、同40mg(フェブキソスタット、帝人ファーマ):「がん化学療法に伴う高尿酸血症」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間4年。

がん化学療法で腫瘍細胞が急速に崩壊することにより、細胞内のカリウムなどが血中に大量に放出され、高尿酸血症などから多臓器不全をきたす腫瘍崩壊症候群(TLS)を引き起こすことが知られている。その発症リクスに応じて同剤を使用し、TSLへの移行を防ぐ。通常の痛風・高尿酸血症に対する用法・用量とは異なり、60mgを1日1回投与。海外では2016年1月現在33カ国で承認済。

【報告品目】(カッコ内は成分名と申請社名)
報告品目は、PMDAの審査の段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断された製品。

ワンクリノン膣用ゲル(プロゲステロン、メルクセローノ):「生殖補助医療における黄体補充」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間は残余(20年9月25日まで)。

プロゲステロンでは初のゲル剤。1日1回投与が特徴。海外では14年12月現在、欧米含む世界85カ国で承認済。

セルセプトカプセル250、同懸濁用散31.8%(ミコフェノール酸モフェチル、中外製薬)
ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「テバ」(同、テバ製薬)
ミコフェノール酸モフェチルカプセル250mg「ファイザー」(同、ファイザー)
:「ループス腎炎」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。

厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請が妥当とされ、医薬品部会の事前評価を得て公知申請されたもの。

【訂 正】
下線部の製品名に誤りがありました。訂正します。(16年4月21日12時15分)
 

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