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薬食審・第二部会 新薬など4製品を審議、承認了承 オプジーボの「腎細胞がん」適応追加も

公開日時 2016/08/08 03:52
厚労省の薬食審医薬品第二部会は8月5日、新薬など4製品の承認の可否について審議し、全ての承認を了承した。この中で小野薬品の免疫チェックポイント阻害薬オプジーボの効能・効果に「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」を追加することを認めた。また、5月の部会で継続審議扱いとなった、あすか製薬の肝性脳症治療薬リフキシマも今回了承され、承認される見通しとなった。
 
【審議品目】(カッコ内は成分名と申請企業名)
オプジーボ点滴静注20mg、同100mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」の効能・効果を追加する新効能医薬品。再審査期間は残余(2021年10月16日)。海外では、今回の追加適応で7の国または地域で承認済(2016年4月現在)。
 
追加適応症の推定対象患者数は約4500人という。承認されれば、オプジーボは根治切除不能な悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに続く3つの効能を持つことになる。今回、優先審査された。
 
事務局によると、審議では、中医協で議論が始まった高額薬剤に対する最適使用推進ガイドライン(GL)について、委員から同剤の腎細胞がん適応においてもGLが作られるのかとの質問があった。それに対し事務局は、作成を想定している旨を回答。作成はこれからのため今回の審議に付されないが、将来的にはGLが作成された薬剤が部会の審議にかかった場合、GLを参照しながら審議する可能性がありうるとの見解を示した。
 
リフキシマ錠200mg(リファキシミン、あすか製薬):「肝性脳症に伴う高アンモニア血症の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。海外では58カ国で肝性脳症の適応で、6カ国で高アンモニア血症の適応で承認済(2015年5月現在)。
 
前回5月30日の同部会で継続審議となったもの。リフキシマ錠はリファマイシン系抗菌薬に分類されるが、同系統の抗菌薬には結核に用いるリファンピシン(一般名)があり、リファンピシン耐性の結核菌が生じるリスクが指摘され、継続審議となった。それを受け事務局は、医薬品医療機器総合機構での審査に関わる外部専門家や結核関連学会の専門家から意見聴取し、同剤が非吸収性の薬剤で、他菌種からの耐性の伝搬も考えにくく、結核患者以外では耐性結核菌が生じる可能性は極めて低いとされた。それを受け、添付文書の「重要な基本的な注意」で、結核を併発している患者に対し同剤以外の治療法を選択することを明記。それにより耐性リスクを極めて低く抑えられるとして、承認が了承された。
 
デザレックス錠5mg(デスロラタジン、MSD):「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年。海外では欧米など120カ国以上で承認済(2016年5月現在)。
 
承認後、MSDは販売・販促せず、杏林製薬が単独販売し、杏林と科研製薬が共同販促する。
 
トレアキシン点滴静注用25mg、同100mg(ベンダムスチン塩酸塩、シンバイオ製薬):「慢性リンパ性白血病」の効能・効果を追加する新効能・新用量・剤形(25mg製剤)追加に係る医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。海外では、今回の追加適応で80の国または地域で承認済(2016年4月現在)。
 
厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の開発要請品目。承認後は25m製剤も、既存100mg製剤と同じ効能・効果(再発または難治性の▽低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫▽マントル細胞リンパ腫)も持つ。同剤はエーザイが販売している。
 
 
【報告品目】(カッコ内は成分名と申請社名)
報告品目は、PMDAの審査の段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断された製品。
 
アフィニトール錠2.5mg、同錠5mg(エベロリムス、ノバルティス):「膵神経内分泌腫瘍」との効能・効果を、よりカバー範囲の大きい「神経内分泌腫瘍」に変更する新効能医薬品。再審査期間は残余(2018年1月19日)。
 
イナビル吸入粉末剤20mg(ラニナミビルオクタン酸エステル水和物、第一三共):▽10歳未満の小児の予防適応▽成人の「予防」における単回投与--についてそれぞれ用法・用量を追加する新用量医薬品。再審査期間は残余(2018年9月9日)。
 
スピリーバ1.25μgレスピマット60吸入、同2.5μgレスピマット60吸入(チオトロピウム臭化物水和物、日本ベーリンガーインゲルハイム):気管支喘息について「重症持続型に限る」の効能の縛りを削除し、中等症及び軽症の持続型の患者にも使えるようにする新効能・新用量・剤形(1.25μg製剤)追加に係る医薬品。再審査期間は残余(2018年11月17日)。
 
ゼローダ錠300(カペシタビン、中外製薬):「直腸がんにおける補助化学療法」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。
 
バリキサ錠450mg(バルガンシクロビル塩酸塩、田辺三菱製薬):「臓器移植(造血幹細胞移植を除く)におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。

ゼローダとバリキサの追加適応症は、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請が妥当と判断され、申請されたもの。

<訂正>(8月8日14時35分)
イナビルの記述について、下線部において「治療」とあったのは、正しくは「予防」です。訂正いたしました。
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