厚労省・宮本医薬局長 適正使用推進へかかりつけ薬剤師が職能発揮を

公開日時 2017/08/25 03:52
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厚生労働省医薬・生活衛生局の宮本真司局長は本誌取材に対し、ポリファーマシーや残薬などの課題への対策として、「まずは薬剤師・薬局の機能を強化しなければならない」と述べた。高齢化が進展する中で、薬剤師が地域で「医薬品の高度な知識を持った専門家」として職能を発揮することが、適正使用推進のカギになるとの考えを示した。宮本局長は、薬剤師がかかりつけ機能を発揮し、患者から信頼され、”一対一の関係”を築くことの重要性を強調。医療現場が地域包括ケアシステム構築へと動く中で、患者や地域の声を代弁し、医療・介護・福祉のプレイヤーと連携する存在となることで存在価値が高まるとの考えを示した。一方で、社会からの薬剤師への要請がある中にあって、地域で職能を発揮できなければ、薬剤師の存在感そのものが薄れることへの危機感も示した。


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◎薬剤師が「社会から強く認識されなければならない時期に来ている」

宮本局長は適正使用の方策として、医薬品の承認や最適使用の周知徹底、流通などの方策があるとした上で、薬剤師の果たす職能の重要性を指摘した。その上で、「その役割を十分発揮できていないのではないか。活躍できる場は十分用意されているし、社会環境から見ても薬剤師・薬局の存在をもっと社会から強く認識されなければならない時期に来ている」と述べた。2016年度診療報酬改定では、かかりつけ薬剤師指導料が新設された。宮本局長は、薬剤師が地域でかかりつけ機能を発揮することで、「服薬状況や疾患管理はもちろん、それ以外の介護や福祉のニーズを把握することもできる」と述べた。

「医療が必要ない時に、気軽に健康や疾患について相談できる窓口のような存在」となることで、医療だけでなく、介護や福祉の世界でも存在価値が高まると見通した。医療の立場からは、医療供給が十分でない地域では、多職種連携の中で「医師法などを踏まえた上で、職能の境目に落ちる業務について薬剤師が一歩前に出ることも可能だと考えている」と述べた。

一方で、東北厚生局長を務めていた自身の経験から、地域医療の中で薬剤師が活躍する姿を見る機会が少なかったと振り返り、「仮に薬剤師がいなくても、地域医療が回ってしまうとなってしまうと、存在価値が薄れ、さらには存在感そのものがなくなるという負のスパイラルに陥ってしまう」と危機感を示した。その上で、「薬剤師・薬局が地域の中に出ていく努力をしていただきたいし、局としてもその支援に取り組む」考えを示した。


◎革新的新薬の審査 安全性の確保が最重要課題


革新的新薬や人工知能(AI)やゲノム医療など、新たな革新的技術が医療分野に参入する中で、規制を司る局として、「安全性の確保を最重要課題としている」ことも明らかにした。医薬品については、最適使用推進ガイドラインについて、「最新の医薬品の恩恵を受けることが期待される患者を特定し、副作用を発現した際に必要な対応を迅速にとることができる施設で使用することで、最適な使用法を示す意味がある」と説明。評価する医薬局やPMDAに加え、薬剤師にも積極的に「最適な使用の一端を担っていただきたい」と述べた。

AIについては、現時点では医療精度の向上などが期待できる一方で、あくまで医師や薬剤師の判断を支援するものにすぎないとの見方を示した。その上で、技術革新のスピードが増す中で、医療の世界からは全く想像できない技術が登場する可能性を指摘。「治療成績の向上など医療の質や患者のQOL向上が見込めるのであれば、導入を拒むことはできない」とした上で、「技術を評価できなくて、審査が遅れるということはあってはならないことだ」と述べた。そのため、審査に携わる人材の育成や、日米欧の規制当局やアカデミア、製薬企業との情報共有が重要との考えを示した。製薬企業とも官民対話などのような幹部同士の意見交換だけでなく、「レベルに応じた階段状の意見交換の場を持ちたいと考えている」と述べた。
 

 

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