諮問会議で民間議員 フォーミュラリ導入を提案 GE金額シェア低率を問題視

公開日時 2017/10/27 03:52
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経済財政諮問会議の民間議員は10月26日、医薬品の推奨リストである“フォーミュラリ”の導入を提案した。後発医薬品80%目標が示され、数量ベースでの置き換えが進む一方で、後発医薬品の金額シェアは依然として低率にとどまっている。こうした現状に切り込む効果的な促進策として、保険者ごとに使用率を2018年度中に公表するとともに、フォーミュラリ策定の検討を求めた。そのほか、菅義偉官房長官、麻生太郎財務相の両閣僚は薬価制度の抜本改革の推進に言及した。製薬業界にとって、財務省、諮問会議と外堀が埋められる中で、2018年度薬価改定は鋭い切込みが想定される。

民間議員ペーパーでは、聖マリアンナ医科大学病院のフォーミュラリを紹介した。同院では、エビデンスや経済性を鑑みて、第一選択薬、第二選択薬を決定している。具体例として、スタチンやACE阻害薬やARBが属すレニン・アンジオテンシン系(RAS)をあげた。第一選択薬は、スタチンではアトルバスタチン錠(後発品)とピタバスタチン錠(後発品)、RASではACE阻害薬(後発品)、ロサルタン(後発品)、カンデサルタン(後発品)など、後発品を基準品に据える。「新規導入には後発品を優先する」などのルールも院内で周知し、処方の適正化を進めた。これにより、1つの医療機関、かつ院内の入院患者であるにもかかわらず、スタチンで85万円、RASでは600万円を超える医療費削減効果があったという。

国内の医療用医薬品のシェアをみると、後発医薬品は数量シェアでは半数を占めているものの、金額ベースでは14%にとどまっている。一方で、長期収載品は品目ベースでは8.1%なのに対し、金額ベースでは30.0%となっている。2016年末に4大臣合意された薬価制度の抜本改革に向けた基本方針で、長期収載品に依存したビジネスモデルからの脱却が明記される中で、こうした後発医薬品促進策の有用性を指摘した。

◎加藤厚労相 薬価の毎年改定は「金額の大きいもので行う」


一方、国内マーケットで品目数は少ないものの、金額ベースでは大きな割合を占めるのが、新薬創出・適応外薬解消等促進加算品目だ。この日、民間議員は改めてゼロベースでの抜本的な見直しを求めた。ゾロ新を含めて既存の類似薬と比べて画期性、有効性がないものを除外し、革新性の高い医薬品に対象を絞り込むことを提案した。加藤勝信厚労相も、「新薬創出加算については、革新性、有用性のあるものに重点化していく方向である」と明らかにした。また、薬価の毎年改定については、「既に方針として金額の大きいものについて行うこととしている。薬価調査の実現性、国民負担等を踏まえて検討していきたい」と述べた。

この日の諮問会議の冒頭で、麻生財務相は、「社会保障については、今回の予算編成において課題が山積しているが、改革努力や歳出削減努力を積み重ね、国民負担の抑制を実現していく必要がある。薬価についても、“抜本改革”にふさわしい結論とし、国民負担を十分に軽減していく必要がある」と語った。抗がん剤・オプジーボに端を発した高額薬剤問題をきっかけに、2016年末には、菅官房長官の「鉄は熱いうちに打て」と述べるなどし、官邸からのトップダウンで改革の断行を迫った経緯がある。こうした中で、4大臣合意された「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」では、全品目を対象に毎年薬価調査を行い、それに基づく改定の実施などが盛り込まれた。2017年もこの流れは緩まることなく、製薬業界に影響を及ぼすことになりそうだ。

◎人工透析「実態に応じた診療報酬の適正化を」 件数の開きは全国で4.5倍

そのほか、民間議員は47都道府県ごとに人工透析の件数と糖尿病予防の取り組みを示した。人工腎臓(慢性維持透析)の件数は最多の大分県と最少の秋田県で4.5倍。予防の取り組みが進んでいる地域では、人工透析が少ない。一方、予防の取り組みが遅れている地域では人工透析も多い。民間議員は、こうした現状を問題視し、透析医療の実態に応じた診療報酬の適正化を図り、保険者による重症化予防を促進することの必要性を指摘した。官邸サイドにはこうした地域による格差を問題視する声があがっており、新たなターゲットとなる可能性も出てきた。厚労省は、糖尿病の重症化予防について取り組む保険者に後期高齢者支援金の増減を行うインセンティブ改革を推進しているところ。2018年度にはアウトカム評価も導入し、医療費適正化を推進する考え。

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