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薬食審・第二部会 新薬4製品を審議、承認了承 中外の抗PD-L1抗体、サノフィのアトピー適応の抗体医薬など

公開日時 2017/11/07 03:52

厚労省の薬食審・医薬品第二部会は11月6日、新薬4製品の承認可否を審議し、いずれも承認を了承した。この中には、中外製薬が承認申請した非小細胞肺がん(NSCLC)に用いる抗PD-L1抗体テセントリク点滴静注や、サノフィが承認申請したアトピー性皮膚炎に用いる初の抗体医薬品のデュピクセント皮下注が含まれる。

【審議品目とその内容】(カッコ内は一般名と申請企業名)

アレサガテープ4mg、同8mg(エメダスチンフマル酸塩、久光製薬):「アレルギー性鼻炎」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間は6年。

ヒスタミンH1受容体拮抗薬。有効成分のエメダスチンは既に他社から1日2回の経口薬として発売されている。アレサガは1日1回貼付のテープ剤となる。海外では、開発されていない。

デュピクセント皮下注300mgシリンジ(デュピルマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。最適使用推進ガイドラインの対象品目。

アトピー性皮膚炎に対する初の抗体医薬品。有効成分のデュピルマブは、IL-4とIL-13という2つのタンパク質のシグナル伝達を特異的に阻害するよう設計されたヒトIgG4モノクローナル抗体。IL-4とIL-13は、アトピー性皮膚炎における持続する炎症を促進する上で中心的な役割を果たすと考えられている。

アトピー性皮膚炎の治療では、皮膚バリア機能の改善や保持のための保湿外用薬を継続的に使用し、皮膚の炎症に対してはステロイド外用薬、タクロリムス外用薬などの抗炎症外用薬の使用が推奨されている。これらの治療で効果不十分な場合に免疫抑制剤の経口シクロスポリンの間欠投与が行われる。

デュピクセントは、ステロイド外用薬などの抗炎症外用薬で効果不十分なアトピー性皮膚炎に対して、新たな治療選択肢を提供することになる。用法・用量は通常、成人には、投与初日に600mgを1回皮下投与し、その後は300mgを2週に1回投与して用いる。海外では、米国で3月に、欧州で10月にそれぞれ承認された。

ネイリンカプセル100mg(ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物、佐藤製薬):「爪白癬」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

ホスラブコナゾールは新規の経口抗真菌剤。主活性成分のラブコナゾールの溶解性や生体内利用率を向上させたプロドラッグで、ヒトに投与すると速やかにラブコナゾールに変換される。ラブコナゾールは、真菌細胞の膜成分であるエルゴステロール生合成を阻害することにより、抗真菌作用を示す。

経口投与の類薬にはイトリゾールカプセル(一般名:イトラコナゾール)やラミシール錠(テルビナフィン塩酸塩)がある。海外では17年8月時点で、承認されている国・地域はない。

テセントリク点滴静注1200mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。最適使用推進ガイドラインの対象品目。

がん免疫療法に用いる改変型抗PD-L1モノクローナル抗体。PD-L1の細胞外領域に結合してPD-L1とPD-1との結合を阻害することなどにより、がん抗原特異的なT細胞の細胞障害活性を増強し、腫瘍増殖を抑制すると考えられている。

抗PD-L1抗体としてはメルクセローノが製造販売元のバベンチオ点滴静注200mg(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))に次ぐ2剤目となる。バベンチオは皮膚がんの一種のメルケル細胞がんを適応症としており、テセントリクが承認されれば、非小細胞肺がん(NSCLC)の適応を持つ初の抗PD-L1抗体となる。海外では17年7月時点で、NSCLCに関する効能・効果で13の国・地域で承認済。

エンブレルのバイオシミラー承認へ

【報告品目とその内容】(カッコ内は一般名と申請企業名)

報告品目は、PMDAの審査段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断されたもの。
 
アディノベイト静注用250、同500、同1000、同2000(ルリオクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え)、バクスアルタ):効能・効果である「血液凝固第8因子欠乏患者における出血傾向の抑制」に対し、12歳未満の小児の用法・用量を追加する新用量医薬品。再審査期間は残余(2024年3月27日まで)。
 
半減期延長型製剤。海外では2017年7月現在、米国、スイス、オーストラリア、コロンビアで12歳未満の適応を取得済。
 
キイトルーダ点滴静注20mg、同100mg(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)、MSD):「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」を効能・効果に追加する新効能医薬品。再審査期間は残余(2022年10月18日まで)。
 
同剤はヒトPD-1に対するヒト化モノクローナル抗体。同剤は現在、悪性黒色腫、非小細胞肺がんの適応を持っている。今回追加承認される適応症では2017年6月現在、海外34の国と地域で承認済。
 
エタネルセプトBS皮下注用10mg「MA」、同25mg「MA」、同皮下注25mgシリンジ0.5mL「MA」、同皮下注50mgシリンジ1.0mL「MA」、同皮下注50mgペン1.0mL「MA」(エタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続1]=予定、持田製薬):「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」と「既存治療で効果不十分な多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」を効能・効果とするバイオ後続品。再審査期間なし。
 
先行品はエンブレルで、効能・効果は先行品と同じ。関節リウマチと若年性特発性関節炎の効能・効果を持つのは皮下注用10mg「MA」と同25mg「MA」のみ。
 
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