MR中途採用 求人件数は減少 買い手市場に

公開日時 2018/02/15 03:52
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MRの中途採用は、製薬会社、CSOにおける求人件数が減り、買い手市場状態にあることが、複数の人材支援企業などの取材で分かった。労働市場は全体的には売り手市場であり、買い手市場の職種は極めて珍しいという。背景には、国内医薬品市場の伸びが停滞する見通しにあることがある。製薬企業側はMR数の適正化の模索を始めている。CSO側は派遣等のプロジェクト終了後のコントラクトMR(CMR)の再配置を優先し、経験者の中途採用数を大幅に減らす検討をしているところもある。国内市場の低迷や今後の薬価制度改革により、製薬企業にはコスト削減が迫られ、営業組織のスリム化やMR数の削減が進む可能性がある。MRの求人環境は厳しさを増しそうである。

日本CSO協会(JCSOA)が1月に発表した2017年(10月時点)の会員8社の稼働CMR数(速報値)は3515人、前年同期と比べ9.5%減と、09年の調査開始以来最大の下げ幅となった。14年には4000人を超え、一時は5000人も視野にあったが、13年と同水準にまで落ち込んだ。同協会は「製薬業界の人員調整、営業組織体制の見直しが本格化する中、CMR稼働数にも影響がみられた」とし、製薬企業の動向が背景にあることを指摘している。

複数の人材支援企業関係者によると、コントラクトを含めMRの中途採用の求人件数は減少が進んでいる。16年ごろまであった比較的大型の新薬がないことや、プライマリ領域の長期収載品に対する後発医薬品の侵食の加速、16年末以降の薬価制度改革論議が製薬企業側に厳しい内容で進んだことが主な理由。17年には、1件あたりの募集人数が2ケタから1ケタが目立つようになり、募集企業数も減り、求人数の減少につながっている。そのため転職希望者数が求人数を上回る状況も出ているという。CSO側も全体的には中途採用には消極的で、未経験は極めて限られ、経験者でもプロジェクトが明確でなかったり、医薬品以外のプロジェクトであったりするケースが出てきているという。

領域別にみると、低分子薬を中心とするプライマリ領域の需要はかなり低めで推移。それと比べ、がんなどスペシャリティ領域の専門MRは、比較的高い需要はあるものの、スペシャリティの経験者が増えたことで需給バランスに落ち着きがみられ、かつてあった専門MRの取り合いという状況にはないとしている。そのため採用基準は厳しくなっているが、それでも十分に採用できるほど買い手市場の状態にあるとしている。

その中で、医師らに対する営業スキルを活かし、医療機器営業やCSOの事業開発など医薬営業以外の医療や食品関係業種への転職が一部に出始めているという。MRは、全営業職の中では200万円以上も平均収入が高く、それを満たすため他社MRへの転職を希望するケースはなおも多いが、実現が難しくなっている。まだ年収が他業種と差が小さい若手や、一定の収入を確保した早期退職者などがMR以外に転職するケースがみられるとしている。

MR数、さらなる削減の可能性も

今後の見通しについて、業界に詳しい関係者は、今回のCSOの稼働CMRの動向が、製薬企業のMR数の先行指標と見ることができると指摘する。16年度MR数(MR認定センター、17年3月末時点調査)は6万3185人で、3年連続で減少しているが、今回稼働CMR数が減少したということは、MRがもう一段減るとの示唆である。

同関係者によると、稼働CMR数の減少は製薬企業側が業績動向などから自社営業で十分と判断し、プロジェクトを終えているのが一因で、今後は製薬企業側で営業組織のスリム化やMR数削減が課題になるという。

製薬企業に厳しい薬価制度改革は、18年度のみならず、この先も長期収載品の薬価の引き下げが続く仕組みであり、毎年薬価改定も控える。製薬企業に対するコスト削減圧力は一層高まるのは必至で、営業組織やMR数をターゲットにする企業は増える可能性がある。その中でMRの求人環境は厳しさを増しそうである。

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