諮問会議で加藤厚労相 医療機関のAI・ICT活用推進で生産性向上 2040年見据えた改革の方向性

公開日時 2018/04/13 03:51
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加藤勝信厚労相は4月12日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、2040年頃を展望した社会保障改革の新たな局面と課題を提示した。2025年以降は高齢化の急増から現役世代の急減に局面が変化する。加藤厚労相は医療・介護など制度改革の前提条件が変わることを指摘し、「健康寿命の延伸に向けた取り組みに加え、医療・介護・福祉サービスの生産性改革を進める」と強調した。安倍首相も、「団塊世代が75歳に入り始める2022年度以降の構造変化を踏まえる必要がある」と述べ、構造改革期間に位置付ける2019~21年度の3年間の歳出の目安となる水準について、変化を踏まえて決めるよう指示した。

内閣府の試算によると、社会保障関係費は2016~18年度の年間6500億円から、団塊の世代が75歳を超える2022年以降は9000億円へと増加するとされており、社会保障費の伸び抑制に向けてさらなる対策が求められている。一方で、この日厚労省が提出したデータによると、2030年を境に、人口減と高齢化を重ねた人口要因の医療費への影響をみると、増大から減少へと向かう。これまで、高齢化に対応して施策が打たれてきたが、2040年を見据えれば、人口減少を踏まえた医療・介護体制の構築が新たに直面する課題へと変化することになる。

◎オンライン診療、診断支援、多職種連携SNSなどの活用も

加藤厚労相は、国民参加の議論のもとで、給付と負担のバランスを見直す必要性を指摘。その上で、課題を解決するための新たな施策として、予防・健康づくりの推進などによる健康寿命の延伸に加え、人とICTや人工知能(AI)を組み合わせることで生産性を向上することをあげた。

人口減少は医療・介護の担い手が減少することをも意味する。高齢化に伴って医療・介護の需要の増大が見込まれる中で、マンパワーの確保は今後重要性を増すことになる。少ない人手であっても効率的に医療・介護サービスを提供するために、介護ロボットの活用や医療機関におけるAIやICT活用の推進、診断の質向上と効率化に役立つ医療機器などの開発支援など、テクノロジーを最大限活用することが必要だとした。医師の働き方改革も叫ばれる中で、医療機関内ではオンライン診療の推進やICTを活用した勤務環境の改善の必要性も指摘。具体的には、複数のICUを集中管理するテレICUタブレットを活用した予診、診断支援ソフトウエア、多職種連携のためのSNS活用推進などをあげた。

◎民間議員 予防・健康づくりを通じた健康寿命延伸を

諮問会議の民間議員も同様に、2040年頃を展望し、支え手の減少に対応した改革を立案し、全世代型の社会保障を実現する必要性を指摘した。高齢化や人口減少、医療の高度化を踏まえた政策をとりまとめ、実行に移すことを求めた。具体的には、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の重症化予防や、予防・健康づくりなどを通じた健康寿命の延伸、病床数や多剤投与の適正化など医療・介護提供体制の効率化、医療・介護サービスの生産性向上などを重点事項にあげた。健康予防への取り組みなどについては、成功報酬型を含めた民間委託を推進することも盛り込んだ。一方で、歳出改革については改めて改革工程表にあげた全44項目を推進することを求めた。

◎茂木大臣「改革の結果として歳出目標設定を」


安倍政権は2018年度までの3年間を集中改革期間と位置づけ、この間に社会保障費の自然増の伸びを約1兆5000億円程度に抑制する政策を行ってきた。諮問会議後の会見で、茂木敏充経済再生担当相は、「キャップではなくて改革を進めた結果として5000億円抑制が3年間されてきた」と説明。新たな構造改革期間に位置付けられる2019~21年度についても、「改革を通じて目指すべき社会保障関係費の歳出の目安となる水準を明らかにしたいと考えている。いくらありきということが最初に来るのではなく、しっかりとした改革を進める。結果として、どれくらいの目安というものをお示しできればと思っている」と述べた。

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