新薬15製品を収載へ 糖尿病薬スージャヌ配合錠、高脂血症薬パルモディア錠など

公開日時 2018/05/17 03:52
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厚労省の中医協・総会は5月16日、新薬15製品(15成分21品目)を薬価収載することを決めた。同省は5月22日に収載する予定。この中には、去年7月に承認を得たにもかかわらず、薬価交渉が折り合わず3度にわたって収載を見送っていたパルモディア錠0.1mg(興和)などがある。糖尿病用薬のスージャヌ配合錠(MSD)は6年後のピーク時売り上げは221億円としている。

収載される製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と薬価収載希望会社)
アジレクト錠0.5mg、同錠1mg(ラサギリンメシル酸塩、武田薬品)
薬効分類:116
効能・効果:「パーキンソン病」
薬価:
0.5mg1錠512.10円
 1mg1錠 948.50円(1日薬価:948.50円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数3.1万人、販売金額91億円  
加算なし

非可逆的かつ選択的なモノアミン酸化酵素B型(MAO-B)阻害薬。MAO-Bに非可逆的に結合することで、脳内のドーパミンの分解を抑制し、シナプス間隙中のドーパミン濃度を高めることによってパーキンソン病の症状に効果を発揮する。

パルモディア錠0.1mg(ペマフィブラート、興和)
薬効分類:218
効能・効果:「高脂血症(家族性を含む)」
薬価:0.1mg1錠33.90円(1日薬価:67.80円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数66万人、販売金額140億円
加算なし

フィブラート系薬剤。血中の中性脂肪(トリグリセライド:TG)を低下させる核内受容体のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)αに結合して活性化し、脂質代謝に関わる種々の遺伝子の発現を調節することでTG低下作用を示す。1回0.1mgを1日2回朝夕に経口投与して用いる。年齢、症状に応じて適宜増減するが、最大用量は1回0.2mgを1日2回までとする。

スージャヌ配合錠(シタグリプチンリン酸塩水和物/イプラグリフロジン L-プロリン、MSD)
薬効分類:396
効能・効果:「2型糖尿病(ただし、シタグリプチンリン酸塩水和物及びイプラグリフロジン L-プロリンの併用による治療が適切と判断される場合に限る)」
薬価:1錠263.80円(1日薬価:263.80円)
(参考:本剤に対応する先発医薬品単剤2剤(ジャヌビア錠50mg、スーグラ錠50mg)の合計1日薬価329.70円)
市場予測(ピーク時6年後):投与患者数27万人、販売金額221億円
加算なし

薬価算定ルールに基づき、14日処方制限の対象外となる。DPP-4阻害薬ジャヌビアとSGLT2阻害薬スーグラとの配合錠。1規格で、成分の含有量はシタグリプチン、イプラグリフロジンとも50mg。用法・用量は通常、成人には1日1回1錠を朝食前または朝食後に経口投与する、というもの。DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬との配合剤にはカナリア配合錠があり、スージャヌ配合錠は2番手となる。

オルケディア錠1mg、同錠2mg(エボカルセト、協和発酵キリン)
薬効分類:399
効能・効果:「維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症」
薬価:1mg1錠280.70円
2mg1錠412.10円(1日薬価:1,648.40円)
市場予測(ピーク時9年後):投与患者数3.6万人 、販売金額84億円
加算なし

ナフチルアルキルアミン骨格を有する新規のカルシウム受容体作動薬。既承認のレグパラ錠(一般名:シナカルセト)で課題となっている上部消化管障害の発現頻度を軽減することなどを期待して、開発された薬剤。類薬にはレグパラ錠やパーサビブ静注透析用などがあり、維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症患者における治療選択肢のひとつとなる。

ガラフォルドカプセル123mg(ミガーラスタット塩酸塩、アミカスセラピューティクス)
薬効分類:399
効能・効果:「ミガーラスタットに反応性のあるGLA遺伝子変異を伴うファブリー病」
薬価:123mg1カプセル142,662.10円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数167人、販売金額34億円
原価計算方式で算定

加算あり(有用性加算2(A=5%)及び市場性加算1(A=10%))
有用性加算2(A=5%):理由「本剤は、特定の変異型のα―ガラクトシダーゼAと結合し、リソソームへ の適切な輸送を促進することで、リソソーム内におけるα-ガラクトシダーゼA活性を回復させる新規作用機序を有する。既存の酵素補充療法が2週に1回の点滴静注を要するのに対し、本剤は経口投与可能な薬剤であることから、ファブリー病における新たな治療の選択肢を提供する臨床上有用な新規作用機序医薬品であると評価し、有用性加算2(A=5%)を適用することが適当と判断した」。

市場性加算1(A=10%):理由「本剤は、希少疾病用医薬品として指定を受けていることから、加算の要件を満たす。ただし、作用機序は異なるが、類似の効能・効果を有する医薬品が既に薬価収載されていること等から、限定的な評価とした」。

既存薬のファブラザイム点滴静注用やリプレガル点滴静注用といった酵素補充療法(ERT)製剤とは作用機序及び投与経路が異なることから、患者の状態に応じた治療選択が可能になり、ファブリー病に対する治療選択肢の一つとなる。

シベクトロ錠200mg, 同点滴静注用200mg(テジゾリドリン酸エステル、バイエル薬品)
薬効分類:624
効能・効果:「深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染」
薬価:200mg1錠20,801.40円(1日薬価:20,801.40円)
200mg1瓶28,084円(1日薬価:28,084円)
市場予測(ピーク時2年後):
200mg1錠:投与患者数631人、販売金額2.3億円
200mg1瓶:投与患者数1.2千人、販売金額3.5億円
加算なし

適応菌種はデジゾリドに感性のMRSA。適応とする皮膚軟部組織感染症の半数近くは黄色ブドウ球菌で、うち20~40%がMRSAだという。両剤形とも1日1回投与。

プレバイミス錠240mg,同点滴静注240mg(レテルモビル、MSD)
薬効分類:625
効能・効果:「同種造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制」
薬価:
240mg1錠14,379.20円
240mg12mL1瓶17,897円
市場予測(ピーク時10年後):
240mg1錠:投与患者数1.6千人、販売金額11億円
240mg12mL1瓶:投与患者数2.0千人、販売金額27億円
原価計算方式で算定

加算あり(画期性加算(A=75%)及び市場性加算1(A=10%))
画期性加算(A=75%):理由「本剤は、既存の治療薬とは異なり、サイトメガロウイルスに特異的なウイルスターミナーゼを選択的に阻害することで、ウイルス増殖を抑制する新規の作用機序を有すると認められる。本剤は、国際共同無作為化第Ⅲ相試験において、サイトメガロウイルス血症に基づく既存治療(先制治療)を実施した群と比べて全死亡率を改善させたこと等から、高い有効性が示されている。また、既存治療薬のガンシクロビルは、造血幹細胞移植後の生着前の投与で生着が遅延し、また、生着時点から投与を開始すると、好中球減少をきたし、細菌感染症、真菌感染症が増加するが、本剤は造血幹細胞移植後の生着に影響を与えず、好中球減少等も認められていないことから、既存治療が困難であった生着前の患者に投与できることとなり、治療方法の改善が示されていると認められる。 以上を踏まえ、画期性加算A=75%が妥当と判断した」。

市場性加算1(A=10%):理由「本剤は希少疾病用医薬品の指定を受けている。本剤と同一の効能・効果を有する薬剤はないものの、サイトメガロウイルス感染症治療薬は既に存在することから、限定的な評価とした」。

国内外の診療ガイドランでは、同種造血幹細胞移植後に行うモニタリングでサイトメガロウイルスの再活性化を検出した上で、治療薬の投与を始める「先制治療」が主に実施されているが、この薬剤は、日本において、サイトメガロウイルスの感染が確認される前に予防的に投与される薬剤となる。移植の成功と予後の改善が期待されるという。

ネイリンカプセル100mg(ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物、佐藤製薬)
薬効分類:629
効能・効果:「爪白癬」
薬価:100mg1カプセル   804.60円(1日薬価:804.60円)
市場予測(ピーク時4年後):投与患者数5.2万人、販売金額35億円
加算あり
有用性加算2(A=5%):理由「本剤は、重篤な肝障害や血液障害、薬物相互作用等により爪白癬の全身療法の既存薬(テルビナフィン、イトラコナゾール)が使用できない患者に対して使用可能であり、承認審査において、「爪白癬に対する新たな治療選択肢を提供するものであり、臨床的意義がある」と評価されていることから、有用性加算2(A=5%)を適用することが妥当と判断した」。

ホスラブコナゾールは新規の経口抗真菌剤。主活性成分のラブコナゾールの溶解性や生体内利用率を向上させたプロドラッグで、ヒトに投与すると速やかにラブコナゾールに変換される。ラブコナゾールは、真菌細胞の膜成分であるエルゴステロール生合成を阻害することにより、抗真菌作用を示す。

トレムフィア皮下注100mgシリンジ(グセルクマブ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ)
薬効分類:399
効能・効果:「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」
薬価:100mg1mL1筒319,130円(1日薬価:5,699円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数4.7千人、販売金額97億円
加算なし

免疫や炎症に関わるIL-23を標的にするヒト型抗IL-23モノクローナル抗体製剤。IL-23は、炎症性に関与するIL-17Aを上流で調節するとされ、下流経路におけるサイトカイン産生を抑えて効果を発揮するとされる。大鵬薬品とコ・プロ契約している。

ヘルニコア椎間板注用1.25単位(コンドリアーゼ、生化学工業)
薬効分類:399
効能・効果:「保存療法で十分な改善が得られない後縦靭帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニア」
薬価:1.25単位1瓶81,676円
原価計算方式で算定
市場予測(ピーク時8年後):投与患者数5.2千人、販売金額4.2億円
加算あり
有用性加算1(A=40%):理由「本剤は、グリコサミノグリカンを分解して髄核の保水能を低下させ、椎間板内圧を低下させる新規の作用機序を有すると認められる。本剤は、多くの場合全身麻酔が必要となる既存の手術療法と比較して、患者への侵襲が少なく、保存療法で十分な効果が得られない椎間板ヘルニアの患者に対し、新たな治療の選択肢を提供するものであることから、治療方法の改善が客観的に示されていると判断し、有用性加算1(A=40%)が妥当と判断した」。

腰椎椎間板ヘルニアは膨隆・突出型、後縦靭帯下脱出型、経後縦靭帯脱出型、遊離脱出型――に分類されるが、このうち後縦靭帯下脱出型のみに使える。椎間板の中心部分にある髄核の構成成分グリコサミノグリカンを特異的に分解する酵素コンドリアーゼの注射薬。椎間板ヘルニア患者では、髄核などが突出して脊髄周辺神経を圧迫しているが、同薬を椎間板内に直接、単回投与することで髄核を縮小し、神経への圧迫を減少させる効果が見込まれている。

▽ヘムライブラ皮下注30mg、同60mg、同90mg、同105mg、同150mg(エミシズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬)
薬効分類:634
効能・効果:「血液凝固第8因子に対するインヒビターを保有する先天性血液凝固第8因子欠乏患者における出血傾向の抑制」
薬価:
30mg1mL1瓶376,006円
60mg0.4mL1瓶692,565円
90mg0.6mL1瓶989,990円(1日薬価:117,856円)
105mg0.7mL1瓶1,134,028円
150mg1mL1瓶1,552,824円
市場予測(ピーク時3年後):投与患者数117人、販売金額50億円

加算あり(有用性加算1(A=50%)及び市場性加算1(A=10%))
有用性加算1(A=50%):理由「本剤は、活性型血液凝固第Ⅸ因子と血液凝固第Ⅹ因子に対する遺伝子組えヒト化二重特異性抗体であり、血液凝固第Ⅷ因子の機能を代替する補因子 活性を発現し、血液凝固反応を促進させる、臨床上有用な新規の作用機序を 有する。 本剤は、血液凝固第Ⅷ因子では効果の期待できないようなインヒビターを 保有する成人血友病A患者に対して出血率の低下が認められたこと、従来の 血友病A治療薬は静脈内投与に限られていたが、本剤は皮下投与製剤である ため注射手技が簡便であり利便性が高いこと、インヒビターを保有する血友 病A患者に対し、定期的な投与が可能なバイパス製剤は血漿分画製剤であり、原料血漿に由来する感染症伝播のリスクを排除することができないが、 本剤はヒト又は動物由来の原材料が使用されておらず、原材料由来の感染症 伝播リスクが低減されていると評価されていることから、治療方法の改善が 認められる。 以上を踏まえ、有用性加算(Ⅰ)A=50%が妥当と判断した」。

市場性加算1(A=10%):理由「本剤は希少疾病用医薬品の指定を受けている。ただし、類似の効能・効果を 有する医薬品が既に薬価収載されていることから、限定的な評価とした」。

インヒビターは、投与された第8因子を異物とみなし、攻撃、働かなくさせるために体内で作られる抗体であり、治療が困難になるおそれがある。同剤は、基本的には週1回皮下投与する。遺伝子組換え製剤であり、ヒト等の原材料由来による感染症リスクを低減しているのも特徴。

ラパリムスゲル0.2%(シロリムス、ノーベルファーマ)
薬効分類:429
効能・効果:「結節性硬化症に伴う皮膚病変」
薬価:0.2%1g3,855.00円(1日薬価:3,084.00円)
 ※ 用法・用量に関連する使用上の注意に定められた 1 日最大塗布量(0.8g)に基づき算定
市場予測(ピーク時6年後):3.4千人、販売金額30億円

加算あり(有用性加算2(A=10%)及び先駆け審査指定制度加算(A=10%))
有用性加算2(A=10%):理由「本剤は、「結節性硬化症に伴う皮膚病変」の効能・効果を有する初めて の医薬品であり、既存治療の外科的切除等に比べ侵襲性が低いこと、また、 比較薬は添付文書の警告欄において間質性肺疾患の発現や肝炎ウイルス キャリア患者への投与などが注意喚起されているのに対し、本剤は投与時 に血中に移行するシロリムス濃度が低いため、添付文書において同様の注 意喚起はされていないこと等から、治療方法の改善が客観的に示されていると判断し、有用性加算2(A=10%)を適用することが妥当と判断した」。

先駆け審査指定制度加算(A=10%):理由「本剤は、「結節性硬化症に伴う皮膚病変」の効能・効果を有する初めての医薬品であり、世界に先駆けて日本で承認されたものである一方で、 臨床試験の症例数は、第I/II相試験(医師主導治験)36例、第III相試験94例にとどまることから、限定的な評価とした」。

結節性硬化症に伴う血管線維腫は、全身の過誤腫を特徴とする常染色体優性遺伝性疾患に特異的な皮膚病変。重症化により鼻閉塞や易出血を引き起こし、患者のQOLに著しく悪影響を及ぼす疾患といわれている。現在の治療法にはレーザー治療や外科的切除と侵襲性の高い治療法が用いられており、再発が多く、色素変化や瘢痕、感染等のリスクもある。

アイセントレス錠600mg(ラルテグラビルカリウム、MSD)
薬効分類:625
効能・効果:「HIV感染症」
薬価:600mg1錠1,553.60円(1日薬価:3,107.20円)
市場予測(ピーク時2年後):3.1千人、販売金額35億円
加算なし

薬価算定ルールに基づき、14日処方制限の対象外となる。同剤はインテグラーゼ阻害剤で、400mg錠が承認・発売され1日2回だが、今回の600mg錠は1日1回を用法・用量としたもの。患者の服薬負担の軽減や服薬アドヒアランスの向上を期待する。

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