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中医協総会 在宅自己注対象薬剤に診療上の必要性求める BSは個別品目審議に

公開日時 2018/05/24 03:50

中医協総会は5月23日、在宅自己注射指導管理料の対象となる薬剤を追加する際の運用基準の見直しを了承した。学会から提出する要望書に、診療上の必要性を示すことが必須となる。単一団体からの要望や患者の利便性に重きが置かれた要望があるとの指摘に対応するもの。TNF-α阻害薬など、「新たな効能効果を有する製剤や既存治療で効果不十分で用いる生物学的製剤」などは、要望書を提出した学会からの意見を確認するなど、さらに厳格な運用を行う。既存の対象品目についても、使用状況を踏まえて診療報酬改定のタイミングで見直す。バイオシミラーについては、個別品目ごとに中医協で議論し、追加の有無を決める。同省は、同日から運用を適用した。この日の中医協では、自己免疫疾患治療薬・エンブレルのバイオシミラーであるエタネルセプト(遺伝子組み換え)を対象薬剤とすることも了承された。

在宅自己注射指導管理料は、関係学会からの要望書に基づいて薬剤が追加されるが、単一団体のみからの要望や、臨床的な有用性ではなく、患者の利便性を中心とした要望があり、要望書のみで診療上の必要性を判断するのは「不十分」と判断した。対象薬剤も、これまでのインスリン製剤などの補充療法だけでなく、生物学的製剤まで広がってきた。そのため、治療目的や投与頻度、治療期間などが異なることから、「より慎重な検討が必要」との方針を明確にした。

このため、学会の要望書の内容に、①自己注射の安全性の確認、②自己注射の対象となる患者の要件、③使用にあたっての具体的な留意点(廃棄物の適切な処理方法を含む使用法の指導、病状の確認頻度、予想される副作用への対応など)、④頻回投与や長期間の治療が必要になる理由―の記載を求めた。

アドレナリン製剤など発作時に緊急投与が必要な薬剤や、インスリン製剤など補充療法に使用する薬剤以外についてはさらに厳格に運用する。具体的には、TNF-α阻害薬・ヒュミラ、エタネルセプトなど生物学的製剤やPCSK9阻害薬など、「新たな効能・効果を有する製剤、既存治療で効果が不十分な場合に用いる生物学的製剤」を別カテゴリーに位置付け、要望書を提出した以外の学会からの意見を確認するなど、診療上の必要性について十分確認されているかなど、多角的に検討する。

◎迫井医療課長 バイオシミラーは「化学合成品と異なる」

バイオシミラーについては、先発品が対象となっている場合は、当分の間、中医協で個別品目ごとに審議する。厚労省保険局医療課の迫井正深課長は、「化学合成品は同一と考えられるが、バイオシミラーは品質特性、有効性・安全性については必ずしもそうではないことから、市販後調査で検証することが求められている」と説明。バイオシミラーでは、化学合成品の後発品よりも厳格な運用を行う方針を明確にした。持田製薬が承認を取得し、あゆみ製薬が販売するエタネルセプトBS皮下注用10mg「MA」など5品目について、効能効果や用法用量などはエンブレルと同等であり、エンブレルの使用状況も問題ないとして、同剤を対象薬剤に追加した。 

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