次期薬機法改正 薬局・薬剤師の役割「服薬中の一元管理・服薬指導」を法令上義務付けへ 

公開日時 2018/11/09 03:50
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厚生労働省は11月8日、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会に、「薬剤師が医薬品の服用期間を通じて、必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導を行う」ことを法令上義務付けることを提案した。あわせて服薬指導を通じて得られた情報を医師、歯科医師、薬剤師などへ必要に応じて提供することを法令上「努力義務」とすることも提案した。薬剤師の職能発揮に向けて、薬局開設者にも遵守事項とする。反対したのは、中川俊男委員(日本医師会副会長)のみ。花井十伍委員(特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権理事)が薬剤師・薬局の在り方が大きく変化するなかで、「薬機法は時代遅れ」と指摘するなど、法改正を支持する声が大勢を占めた。

現行の薬機法が2014年に施行されて以降、薬剤師・薬局を取り巻く環境は大きく変わった。医薬分業率が7割を超え、医療現場が地域包括ケアシステム構築へと動く中で、これまでの医薬品を扱う“対物”業務から、対人業務へと舵を切った。これまで調剤業務に重きが置かれてきた薬局・薬剤師業務も、服用後も含めて服薬状況の一元管理に軸足を置くことが求められている。これまで保険薬局は、立地に依存し、門前薬局が中心だったが、患者本位のかかりつけ薬局となることが求められている。こうしたなかで、厚労省は2015年の患者のための薬局ビジョン策定以降、2016年度診療報酬改定でかかりつけ薬剤師指導料を新設するなど、一貫した路線を歩んできた。こうしたなかで、薬機法も時代に即した形へと変化することが求められている。

◎在宅医療・高度薬学管理 具体的な要件は通知発出も視野

この日の制度部会で厚労省は、基本機能に加え、▽在宅医療に対応し、一元的・継続的な情報連携において主体的な役割を担う薬局、▽抗がん剤やHIV治療薬など高度薬学管理を担う薬局―の機能分類を提示。都道府県を介して地域住民に情報提供する”薬局情報提供制度”の活用も視野に、薬局機能を地域住民に広く知らせ、患者が選択できる環境も整える考え。

それぞれの具体的な要件は、在宅医療を担う薬局については、▽プライバシーに配慮した相談スペース、▽休日夜間対応(輪番制)、▽入退院時の情報共有などの連携体制、▽麻薬調剤の対応、▽無菌調剤設備(共同利用でも可)、▽一定の研修を終えた薬剤師―とした。

一方、高度薬学管理薬局については、▽プライバシーが保護された個室、▽地域需要に応じた特殊な薬剤の確保、▽専門性の高い薬剤師の配置、▽医療機関・薬局との密な連携体制の整備及び研修の実施―などをあげた。具体的な要件については、通知などで規定することも視野に入れる。さらに2020年度以降の調剤報酬も、これに合致した形となり、薬局・薬剤師の姿が大きくシフトすることが想定される。

◎日医・中川委員 保険薬局薬剤師は「病院薬剤師の補完」 診療報酬での手当て望む

この日の制度部会では、山口育子委員(認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)が「基本的な薬剤師の役割は法律に書かなくても果たされていない。書かざるを得ないのでは。薬局がやるべきことをやっているのであれば法律上規定する必要はない」との考えを表明。中川委員に薬剤師が職能を発揮する方策についての案がほかにあるのか、考えを質した。

これに対して中川委員は、調剤技術料が1.8兆円にのぼると説明。「診療報酬に結び付く可能性が100%ないと言えば、無理には反対しない。現状できないのに、法令上に明記すればできるようになる、というのは無理な話だ」などと従来の主張を繰り返した。さらに保険薬局の業務を、高度薬学管理に携わる病院薬剤師の“補完業務”と一蹴。病院薬剤師の人員を増やす方策を問う声には、「院内の調剤業務に対する診療報酬を上げる」ことの必要性を強調する一幕もあった。

これに対し、森田朗部会長(津田塾大学総合政策学部教授)は、次期通常国会への提出に向け、「制度部会で考えるのは、今度の国会で薬機法改正する。どの事項を改正しないといけないのかということを議論いただいている」と述べ、医療保険の議論への波及に釘を刺した。 

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