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薬食審・第一部会 8製品審議、第一三共の疼痛薬など7製品の承認了承 塩野義のAD/HD薬は継続に

公開日時 2018/12/04 03:51
厚労省の薬食審医薬品第一部会は12月3日、第一三共が承認申請した末梢性神経障害性疼痛に用いるタリージェ錠(一般名:ミロガバリンベシル酸塩)など8製品の承認の可否を審議し、7製品の承認を了承した。塩野義製薬がAD/HD治療薬として承認申請したビバンセカプセル(リスデキサンフェタミンメシル酸塩)は、覚醒剤原料に指定される成分が含有され、特別な流通管理が必要だとして、その内容についてパブリックコメントを実施するため継続審議扱いとした。
 
厚労省の 担当官によると、ビバンセについては当初から、流通管理の実施し、管理内容についてパブリックコメントを行うことを提案する予定にしており、継続審議を前提としていた。流通管理の詳細は現時点では開示していない。パブリックコメントは近く実施する。部会では、明年1月に予定する次回以降に承認の可否について審議する予定。
 
【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
タリージェ錠2.5mg、同錠5mg、同錠10mg、同錠15mg(ミロガバリンベシル酸塩、第一三共):「末梢性神経障害性疼痛」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
電位依存性カルシウムチャネルのα2δ(アルファ2デルタ)サブユニットに対するリガンド。作用機序は、国内でファイザーが製造販売しているリリカと同様で、電位性カルシウムチャネルを介してカルシウムの流入を減少させることで、痛みに関与する神経伝達物質の過剰な放出を抑制することにより、効果を発揮すると考えられている。初期用量として1回5mgを1日2回経口投与。その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、1回15mgを1日2回経口投与する。2018年2月現在、本剤が承認されている国または地域はない。なお、リリカの効能・効果は「神経障害性疼痛」。
 
イベニティ皮下注105mgシリンジ(ロモソズマブ(遺伝子組換え)、アステラス・アムジェン・バイオファーマ):「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
骨細胞から分泌され、骨形成の抑制などに関与する糖タンパク質スクレロスチンと結合してその作用を阻害し、骨形成を促進し、骨吸収を抑制するヒト抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤。210mgを月1回、12か月皮下投与する。日本ではアステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラス製薬が共同開発した。米国で審査中で、2018年10月時点で海外承認なし。
 
スーグラ錠25mg、同錠50mg(イプラグリフロジンL-プロリン、アステラス製薬):「1型糖尿病」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間4年。
 
ファーストインクラスのSGLT2阻害薬。1型糖尿病の適応は、承認されれば、SGLT2阻害薬としては初。インスリン製剤との併用し、50mgを1日1回経口投与する。アステラスが製造販売し、寿製薬と共同販促している。海外では2018年9月時点で1型糖尿病適応の承認なし。
 
ビムパットドライシロップ10%、同錠50mg、同錠100mg、同点滴静注200mg(ラコサミド、ユーシービージャパン):「てんかん患者の部分発作」に小児の用法・用量を追加する新用量医薬品で、ドライシロップは新剤形医薬品でもある。点滴静注は新投与経路医薬品。再審査期間は、ドライシップ、錠剤は残余(2024年7月3日まで)。点滴静注は6年。
 
4歳以上の小児の用法・用量の追加に伴い、ドライシロップ製剤と点滴静注製剤を追加する。点滴静注製剤の効能・効果は、「一時的に経口投与ができない患者」に対する経口製剤の代替療法。なお、ドライシロップ、点滴静注製剤とも承認されれば成人にも使える。海外では2017年11月現在、経口剤の小児適応は欧米など32か国で承認済。静注製剤は72の国・地域で承認済。
 
ミネブロ錠1.25mg、同錠2.5mg、同錠5mg(エサキセレノン、第一三共):「高血圧症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬。過剰に活性化することで血圧の上昇が起こるというミネラルコルチコイド受容体に対し、その活性化を阻害することで降圧作用を発揮すると考えられている。2.5mgを1日1回経口投与する。2018年9月現在、海外承認なし。
 
デムサーカプセル250mg(メチロシン、小野薬品):「褐色細胞腫のカテコールアミン分泌過剰状態の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。
 
厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」からの開発公募品目。褐色細胞腫は、副腎髄質または副腎外傍神経節に由来する神経内分泌腫瘍。褐色細胞腫から過剰に産生されるカテコールアミンにより、高血圧、心不全、不整脈等の致死的な心血間関連事象のリスクを高める。国内の推定患者数は2920例。メチロシンはカテコールアミンの産生に関わるチロシン水酸化酵素を阻害し、カテコールアミンを減少させる。同様の作用機序の承認薬はない。成人、12歳以上の小児には、1日500mgから経口投与する。2018年9月現在で米国のみ承認している。
 
レルミナ錠40mg(レルゴリクス、武田薬品):「子宮筋腫に基づく諸症状(過多月経、加腹痛、腰痛、貧血)の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
1日1回40mgを経口投与のゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体拮抗薬。武田薬品が製造販売承認を取得後は、あすか製薬が販売及びプロモーション活動を行う契約を締結している。海外承認なし。
 
【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。
 
ビソノテープ2mg、同テープ4mg、同テープ8mg(ビソプロロール、トーアエイヨー):「頻脈性心房細動」を効能・効果に追加する新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。再審査期間は残余(2021年6月27日まで)
 
経皮吸収型のβ1遮断薬。頻脈性心房細動の効能追加に伴い、2mg製剤を追加する。4mg製剤、8mg製剤は既収載品で、効能及び用量を追加する。1日1回4mgから投与開始し、効果不十分な場合は1回8mgに増量する。海外承認なし。


 

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