新薬13製品を収載へ C型非代償性肝硬変の国内初治療薬エプクルーサ錠など

公開日時 2019/02/21 03:50
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厚生労働省の中医協総会が2月20日に開かれ、新薬13製品(13成分19品目)を薬価収載することを了承した。同省は2月26日に収載する予定。このなかには、C型非代償性肝硬変に対する国内初の治療薬エプクルーサ配合錠(一般名:ソホスブビル/ベルパタスビル)などがある。またイベニティについては、今村聡委員(日本医師会副会長)が効能・効果の「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」について、基準の明確化を求めた。厚労省保険局医療課の田宮憲一薬剤管理官は、留意事項通知を通じて投与対象の患者を明確化する考えを示した。留意事項通知は25日に発出される予定。

収載される製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と薬価収載希望会社)
ビムパットドライシロップ10%(ラコサミド、ユーシービージャパン)
薬効分類:113(抗てんかん剤(内用薬)
効能・効果:てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)
薬価:10%1g386.20円(1日薬価:772.40円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数8.7千人、販売金額18.8億円
加算:新薬創出等加算に該当。新薬創出等加算を受けている製剤の剤形追加のため。

ビムパット点滴静注200mg
薬効分類:113(抗てんかん剤(注射薬)
効能・効果:一時的に経口投与ができない患者におけるてんかんの部分発作(二次性全般化発作を含む)の治療に対するラコサミド経口製剤の代替療法
薬価:200mg20mL1瓶4252円(1日薬価4252円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数25千人、販売金額12億円
加算:新薬創出等加算に該当。新規作用機序のため。

小児(4歳以上)適応も持つ。ドライシロップでは、特に小児や嚥下機能が低下している高齢患者などに対する服薬のしやすさを期待する。販売元は第一三共。

セリンクロ錠10 mg(ナルメフェン塩酸塩水和物、大塚製薬)
薬効分類:119(その他の中枢神経系用薬(内服薬))
効能・効果:アルコール依存症患者における飲酒量の低減
薬価:10mg1錠296.40円(1日薬価:296.40円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数3.8万人、販売金額14億円
加算:新薬創出等加算に該当。新規作用機序のため。

アルコール依存症患者が飲酒量を減らす過程を補助する初めての薬剤。中枢神経系に広く存在するオピオイド受容体調節作用を介して飲酒欲求を抑制し、依存症患者の飲酒量を低減させる。

タリージェ錠2.5mg(2.5mg1錠)、同錠5mg(5mg1錠)、同錠10mg(10mg1錠)、同錠15mg(15mg1錠)(ミロガバリンベシル酸塩、第一三共)
薬効分類:119(その他の中枢神経系用薬(内用薬))
効能・効果:末梢性神経障害性疼痛
薬価:2.5mg1錠78.00円、5mg1錠107.70円、10mg1錠148.70円、15mg1錠179.60円(1日薬価:446.10円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数67万人、販売金額259億円
加算なし

電位依存性カルシウムチャネルのα2δ(アルファ2デルタ)サブユニットに対するリガンド。電位性カルシウムチャネルを介してカルシウムの流入を減少させることで、痛みに関与する神経伝達物質の過剰な放出を抑制し、効果を発揮すると考えられている。


ミネブロ錠1.25mg、同錠2.5mg、同錠5mg(エサキセレノン、第一三共)
薬効分類:214(血圧降下剤(内服薬))
効能・効果:高血圧症
薬価:1.25mg1錠46.90円、2.5mg1錠89.90円、5mg1錠134.90円(1日薬価:89.90円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数48万人、販売金額112億円
加算:
有用性加算(Ⅱ)(A=5%):理由「類薬のエプレレノンで投与禁忌とされている患者(中等度腎機能障害合併高血圧症患者、アルブミン尿を有する糖尿病合併高血圧患者)でも治験を実施し、承認審査の結果、これらの患者にも投与可能とされたことから治療方法の改善が客観的に示されていると判断し、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが妥当と判断した」
新薬創出等加算に該当。加算適用のため。
 
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬。過剰に活性化することで血圧の上昇が起こるというミネラルコルチコイド受容体に対し、その活性化を阻害することで降圧作用を発揮すると考えられている。2.5mgを1日1回経口投与する。効果不十分の場合は5mgまで増量できる。

デムサーカプセル250mg(メチロシン、小野薬品)
薬効分類:219(その他の循環器官用薬(内服薬))
効能・効果:褐色細胞腫のカテコールアミン分泌過剰状態の改善
薬価:250mg1カプセル5853.50円
市場予測(ピーク時4年後):投与患者数113人、販売金額3.6億円
加算:
有用性加算(Ⅱ)(A=5%):理由「チロシン水酸化酵素を阻害することで、カテコールアミンの生合成を抑制する新規の作用機序を有すると認められており、治療薬が限られる手術不能例の褐色細胞腫の治療薬の選択肢を増やすものであることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが妥当と判断した」
市場性加算(Ⅰ)(A=10%):理由「希少疾患用医薬品の指定を受けていることから加算の要件を満たす。ただし、類似の効能・効果を有する医薬品がすでに薬価収載されていることから、限定的な評価とした」
新薬創出等加算に該当。厚労省が開発を公募したため。

メチロシンはカテコールアミンの産生に関わるチロシン水酸化酵素を阻害し、カテコールアミンを減少させる。同様の作用機序の承認薬はない。成人、12歳以上の小児には、1日500mgから経口投与する。

レルミナ錠40mg(レルゴリクス、武田薬品)
薬効分類:249(その他のホルモン剤(高ホルモン剤を含む)(内用薬))
効能・効果:子宮筋腫に基づく諸症状(過多月経、下腹痛、腰痛、貧血)の改善
薬価:40㎎1錠905.70円(1日薬価905.70円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数3.4万人、販売金額56億円
加算なし

1日1回40mgを経口投与のゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体拮抗薬。武田薬品が製造販売承認を取得後は、あすか製薬が販売及びプロモーション活動を行う契約を締結している。

ビジンプロ錠15mg、同錠45mg(ダコミチニブ水和物、ファイザー)
薬効分類:429(その他の腫瘍用薬(内用薬))
効能・効果:EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん
薬価:15mg1錠3850.60円、45mg1錠10748.00円(1日薬価10748.00円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数3.4千人、販売金額122億円
加算なし

EGFRチロシンキナーゼのリン酸化を阻害することで、増殖抑制するとされるEGFR阻害薬。化学療法歴のない患者に使用できる。ビジンプロとゲフィチニブを直接比較した国際共同フェーズ3(「ARCHER1050試験」)では主要評価項目のひとつの無増悪生存期間(PFS、中央値)は、ビジンプロ群が14.7か月と、ゲフィチニブ群の9.2か月と比べ統計学的に有意な差を示した。

ビラフトビカプセル50mg(エンコラフェニブ、小野薬品)
薬効分類:429(その他の腫瘍用薬(内用薬))
効能・効果:BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫
薬価:50㎎1カプセル3180.70円(1日薬価:28626.30円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数91人、販売金額9.4億円
加算:新薬創出等加算に該当。希少疾患用医薬品として指定されているため。

BRAFのキナーゼ活性を阻害し、増殖抑制するとされるBRAF阻害薬。MEK阻害薬メクトビ錠(小野薬品)と併用する。ビラフトビは1回450mgを1日1回投与。メクトビは1回45mgを1日2回投与。

メクトビ錠15mg(ビニメチニブ、小野薬品)
薬効分類:429(その他の腫瘍用薬(内用薬))
効能・効果:BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫
薬価:15mg1錠4836.80円(1日薬価:29020.80円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数91人、販売金額9.6億円
新薬創出等加算に該当。希少疾患用医薬品として指定されているため。

MEKのキナーゼ活性を阻害し、増殖抑制するとされるMEK阻害薬。BRAF阻害薬ビラフトビカプセルと併用する。

エプクルーサ配合錠(ソホスブビル/ベルパタスビル、ギリアド・サイエンシズ)
薬効分類:625(抗ウイルス剤(内用薬))
効能・効果:前治療歴を有するC型慢性肝炎、C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善、C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
薬価:1錠60154.50円(1日薬価:60154.50円)
市場予測(ピーク時2年後):投与患者数1.5千人、販売金額84億円
有用性加算(Ⅱ)(A=10%):理由「これまで有効な治療方法が存在しなかったC型非代償性肝硬変に対する初の薬剤であること、海外の診療ガイドラインにおいて標準的治療法として推奨されていることから、治療方法の改善が示されていると判断し、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)を適用することが適当と判断した」
新薬創出等加算に該当。加算適用のため。

ソホスブビルはソバルディ錠として販売され、ベルパタスビルはNS5A 阻害作用を有する新有効成分。C型非代償性肝硬変の最も有効な治療法は肝移植だったが、初の治療薬となる。また、直接作用型抗ウイルス療法の不成功患者に対する治療選択肢となる。

ソホスブビル400mg、ベルパタスビル100mgを配合し、1日1回1錠。C型慢性肝炎、C型代償性肝硬変はレベトールカプセル(MSD)と併用し、24週間投与する。C型非代償性肝硬変はエプクルーサ単剤で12週間投与により治療する。

イベニティ皮下注105mgシリンジ(ロモソズマブ(遺伝子組換え)、アステラス・アムジェン・バイオファーマ)
薬効分類:399(他に分類されない代謝性医薬品(注射薬))
効能・効果:骨折の危険性の高い骨粗鬆症
薬価:105mg1.17mL1筒24720円(1日薬価1625円)
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数69千人、販売金額329億円
有用性加算(Ⅱ)(A=5%):理由「スクレロスチンに結合することによってWntシグナル伝達の抑制を阻害し、骨形成が促進され、骨吸収が抑制されるという新規の作用機序を有すると認められる。国内で使用される骨形成促進薬よりも半分程度の投与期間で骨折抑制効果が認められていること等から、臨床上有用な新規作用機序医薬品に該当し、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが妥当と判断した」
新薬創出等加算に該当。加算適用のため。

骨細胞から分泌され、骨形成の抑制などに関与する糖タンパク質スクレロスチンと結合してその作用を阻害し、骨形成を促進し、骨吸収を抑制するヒト抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤。210mgを月1回、12か月皮下投与する。日本ではアステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラス製薬が共同開発した。販売元はアステラス製薬。

ザバクサ配合点滴静注用(セフトロザン硫酸塩/タゾバクタムナトリウム、MSD)
薬効分類:613(主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの(注射薬))
効能・効果:適応菌種は、本剤に感性のレンサ球菌属、大腸菌、シトロバクタ―属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、緑膿菌。
適応症は、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍。
薬価:(1.5g)1瓶6335円
市場予測(ピーク時8年後):投与患者数3.5万人、販売金額66億円
加算なし

新規セフェム薬であるセフトロザン硫酸塩1.0gにβラクタマーゼ阻害剤であるタゾバクタムナトリウム0.5gを配合した注射用抗菌薬。膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症は、基礎疾患がない単純性と、前立腺肥大や尿路結石などの基礎疾患またはカテーテルに起因する複雑性に分類され、同剤は複雑性尿路感染症、複雑性腹腔内感染症に対する初期治療、標的治療の新たな選択肢として期待される。
 

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