米FDA 優先審査品目増加も経費増加食い止める
公開日時 2014/09/11 03:50
米食品医薬品局(FDA)の優先審査にかかる経費は、バウチャー発行数の増加にもかかわらず、一定にとどまっている。これは、優先審査バウチャー制度に適正な予算配分をするように経費の計算方法を変更したことが寄与していることが理由だとみられている。
2013年度の新薬および生物製剤承認申請における優先審査の経費は626万ドル、通常審査の経費は375万ドル。優先審査および通常審査ともに12年度より経費は増加したが、11年度、10年度よりも低水準にとどまっている。
13年度以前は、優先審査全体の平均経費に基づく計算式が用いられていたが、13年度は前年度までのデータを見直し、増高するFDAのリソース経費を見積もるために計算法を審査過程の効率性とは切り離すことを決めた。FDAが8月29日発表した。
FDAは、「新たな計算式により、優先審査バウチャー制度を維持しながら、優先審査を実施できる追加リソースを提供してくれる」と話している。
優先審査に指定されると、審査期間は通常の12か月から8か月に短縮される。PDUFA V(第5次処方せん薬ユーザーフィー法)が施行される13年度以前の審査期間は、優先審査で6か月、通常審査で10か月だった。優先審査にかかる経費は、10年度の634万ドルから11年度には870万ドルまで増加した。なお、通常審査にかかった経費は、10年度380万ドル、11年度520万ドル。
FDAはまた、優先審査の件数と経費は相関していないとみている。13年度は12件の新薬および8件の生物製剤承認優先審査申請があったが、これは過去4年よりも多かった。しかし、経費は2013年度のほうが少なかった。興味深いことには、優先審査および標準審査の経費は、FDAの審査経費の傾向との相関はみられないようだ。
13年度のヒト医薬品審査の総経費は前年比6%以上減少し、10年度以降初めて10億ドルを下回った。13年度は、優先審査や通常審査の経費の減少を象徴するように人件費、報酬、諸手当が減少した。その理由について、FDAは、減少の一部は予算削減によるものと説明している。
しかし、総経費の減少にかかわらず、13年度の優先審査にかかった経費は増加した。FDAの新薬および生物製剤承認申請についての優先審査および標準審査の年間総経費は12年度が2億2440万ドル、2013年度が2億4880万ドルだった。
(The Pink Sheet 9月1日号より)