外食産業の衛生管理状況や食中毒事故記録などに関する行政の検査結果を開示するアプリが行政によって（カリフォルニア州サンタクララ郡）公開され、街の話題 になっている。（医療ジャーナリスト　西村由美子）


検索が集中しているアプリは “SCCDineOut”だ。


https://services.sccgov.org/facilityinspection　


アプリを制作・公開しているのはサンタクララ郡、アップルのiOS Appストアからダウンロードできる。


個別具体的なレストラン情報は、“SCCDineOut”のトップページからレストランの名称で検索できるだけでなく、立地エリア別に（たとえばマーケット・ストリート周辺というような検索条件で）調べることもできる。


なんらかの事故によって過去6ヶ月以内に営業停止処分を受けたレストランについては、トップページの「営業停止（Closure）」ボタンをクリックするだけで、店舗の名称やロケーションはもとより事故の詳細までが一覧できる。現在「営業停止（Closure）」セクションには74店舗の情報が掲載されている。


同様の情報は、郡の検査を受けた各レストランが店内に掲示している「検査済証」のQRLコードをスキャンすることでも読み取ることができる。


「僕の行きつけのレストランは95点とっているのだけれど、店のオーナーは『次は絶対に100点とる』と言っている」という消費者の声を報じているのはサンノゼ・マーキュリーニュース紙。実際、消費者が利用しやすいモバイル・アプリでのレストラン情報公開にふみきった行政の狙いも、まさに「レストランに『質の向上』をめざす、強い動機づけを与えるため」だ。サンタクララ郡公衆衛生局の担当官は「食中毒はしばしば死亡原因につながる危険があり、レストランはそれを予防すべき 義務と責任がある。店の衛生状況 についての情報は、店を利用する消費者にこそ公開されるべきだ」と語っている。