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厚労省・堀尾法務指導官 企業はMR活動の合理性で説明責任を 販売情報提供活動GLを解説

公開日時 2019/09/02 03:52
厚労省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課の堀尾貴将法務指導官は8月31日、東京都内で開催した「2019年度教育研修責任者会議」(MR認定センター主催)で講演し、4月に施行した販売情報提供活動ガイドライン(GL)策定の背景について解説した。堀尾指導官は講演の冒頭で、企業の営業部門から寄せられる質問に触れ、「監督部門からこういう情報提供はしていけないといわれた。話を聞いてみると、GL上あまり関係なかったりする」と指摘。「GLの趣旨を理解せず、“良い・悪い”だけを鵜呑みにしている」といった企業側の対応を問題視した。その上で、「MRはGL策定の背景を踏まえ、自分の情報提供のあり方としてどうなのかをしっかり考えていただきたい」と強調。製薬各社が実施する教育研修の重要性を訴えた。

堀尾指導官は、販売情報提供活動GL策定の背景の一つとして、製薬企業の費用構造が問題視されたことを紹介した。2018年度薬価制度抜本改革を控えた2017年10月の財政審財政制度分科会で、医薬品産業の販管費率が他産業に比べて高いことが当時指摘されている。

◎「営業費用を薬価として賄う合理性があるのか」で厳しい社会の眼

堀尾指導官は財政審の資料を示しながら、「コスト構造を比較すると他産業に比べて販管費が医薬品産業は51.9%で高い。販管費の中で、研究開発費以外の宣伝費・営業費用が64.8%で大きく占めている」と説明。「これらのコスト構造の中で、相当のコストをかけている販管費・営業費が社会保障費で賄われるなど、薬価への影響に対する厳しい見方があった」と振り返った。またこれら費用の使途に触れ、「自社製品の販売促進、マーケティング費用、研究助成や奨学寄付での名目で多くの研究者に資金供与しているとの現実がある」と強調した。

その上で、「これが社会保障費と関係ないところでやっているのであれば問題ないが、製薬企業の収益は国民の税金である社会保障費から賄われている」と述べ、「いま社会保障費が潤沢にあるわけではなく、これを削減しなければ国家の存続としてもたない中で、この営業費用を薬価として賄う合理性があるのか、ということで厳しい見方がされている」と指摘した。

◎MRはサイエンスに基づく適正使用に必要な情報の提供を

こうした背景を踏まえて、製薬企業は、「MR活動が医薬品適正使用のために必要であることを合理的に説明できなければいけない」と述べながらも、「その合理的な説明をしているときに、先ほどの広告監視モニターであがっているような不適切な事例があがっている。プロモーションを目的に適正使用を阻害するような情報提供活動が行われているのであれば、これに対し反論ができない。そいった状況であれば薬価を下げようということになる」と警鐘を鳴らした。さらに、堀尾指導官は、「そうならないように、MR活動が不適切使用を助長しないようにするためにGLがある。GLの考え方に理解をいただき、科学的客観的な情報を正確に提供していただくということを徹底することで、MRの情報提供はサイエンスに基づいて適正使用に必要な情報を提供しているという。医薬品が適正に使用されるために必要なんですということになる。これが背景にあることを理解してほしい」と訴えた。
 
 
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