スズケンは新たな流通モデルの構築に動き出す。同社は9月28日に、①ラストワンマイル領域でセイノーホールディングスの100％子会社GENieと業務提携契約を締結、②Amazonへの医療関連物質の提供開始－のそれぞれについて発表した。国が地域包括ケアシステムの構築を進める中で、地域では居宅への医療関連物資や生活必需品の効率的な配送、供給などで新たな課題解決が求められると判断した。GENieとは処方薬の即時配送サービスなどで検討を進めるほか、Amazonにはブランドストアを開設し、Ｅコマースを通じた医療分野の購買サービスの強化に取り組む。

同社は、中期成長戦略「May I“health”you? 5.0」で地域医療貢献ビジネスモデルの追求をテーマの一つに掲げ、多様な医療基盤プラットフォームを活かしながら、医療機関や保険薬局と患者をつなぐ新たなラストワンマイル流通の構築に向けた検討を進めている。今回発表した新たな流通モデル構築の発表は、こうした取り組みの一つに位置づけられるものだ。

◎GENie　ラストワンマイル領域で在宅医療と在宅介護における支援体制を検討

GENie は、セイノーホールディングスが推進するラストワンマイル事業の中核会社の一つに位置づけられる。すでに同社は、顧客が購入した商品の自宅配送だけでなく、地域の「かかりつけ薬局」を対象とした処方薬の“即時”配送サービス「ARUU（アルー）」などを展開している。今回の業務提携契約においては、「両社で保険薬局を中心としたラストワンマイル領域について、在宅医療と在宅介護の支援体制の構築を目的とした流通モデル」などについて検討を行う方針だ。

◎Amazonビジネスを活用した顧客への購買課題解決提案も

一方、Amazonについては、Ｅコマースの購買サービスとして「スズケングループブランドストア」を開設し、当社グループの衛生材料や食品などの自社製品を供給するというもの。「Amazon.co.jp」および法人・個人事業主の顧客向けＥコマース「Amazonビジネス」を利用する医療・介護従事者、患者が医療関連物資を検索することで、サイトにアクセスし、購買から受け取りなどができるようになる。同社としては、「2021年末までに数千点の医療関連物資を供給し、品揃えの拡充を進めたい」としている。

さらに、医療機関に対し効率的な調達・購買に向けて「Amazonビジネス」の購買分析・レポート機能などを活用した購買促進提案を 2021年度下期から順次全国展開し、購買業務の効率化に貢献させる考えだ。