三井物産は3月28日、米・TriNetX,LLC社（本社・マサチューセッツ州）と匿名化した電子カルテ情報を活用したグローバル医療データサービス事業で協業契約を締結したと発表した。TriNetX社は医療機関と製薬企業をつなぐ共同研究プラットフォームを有しており、日本国内の医療機関と共有することで、治験参画機会の増加や臨床研究へのデータ活用、経営効率化に貢献する。製薬企業に対しても、治験施設の選定期間短縮などで費用抑制にも寄与したい考え。

TriNetX社は、北米、南米、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋地域の各地域を軸にグローバル医療データサービス事業で急成長してきた。匿名化した電子カルテ情報などのリアルワールドデータ（RWD）を活用することで、治験の効率化支援やデータ分析・エビデンス構築支援、市販後の副作用モニタリング効率化などのサービスを提供している。三井物産も、2019年から同社に出資している。

三井物産は今回の協業契約を踏まえ、TriNetX社のプラットフォームを日本の医療機関と共有させ、治験参画機会の増加や臨床研究へのデータ活用、経営効率化に貢献する。製薬企業に対しては、治験計画策定の効率化や治験施設の選定期間の短縮による費用抑制などに寄与したい考え。

なお、三井物産は中期経営計画2023でヘルスケア・ニュートリション領域をStrategic Focusの一つと位置付けており、「Wellness All Mitsui」（WAM）という健康事業群の確立を進めている。今回の協業契約は医療接点を軸としたＤＸソリューション拡大の具体策の一つと位置付けている。