塩野義製薬は６月21日、筑波大学発ベンチャーのピクシーダストテクノロジーズ（PxDT、本社：東京都千代田区、代表取締役：落合陽一、村上泰一郎）と、「音刺激による脳活性化および認知機能改善」に向けた共同研究に関する基本合意書を締結したと発表した。

認知症患者の脳では、特定のリズム活動（ガンマ波）が弱まっていることが報告されている。両社はこれまでに、脳の特定のリズム（ガンマ波）を強める可能性のある「音」を共同開発してきた。今回の基本合意により、今後はテレビの音や音楽を自然な形で加工して特定のリズムの脳活動を強めるなど、「音」を通じたサービスの開発に向けたさらなるエビデンスの構築を目指す。

両社は、「（それぞれの）強みを活かし、聴覚や視覚など五感刺激による『生活に溶け込んだ認知症ケア』サービスの開発を通じて、患者や社会の抱える困りごとの解決に向けた新たなソリューションの提供に取り組む」としている。

両社は2021年12月から、「生活に溶け込んだ形で、自然五感を刺激することによって長期的な介入を可能とし、認知症ケアを実現する」とのコンセプトを掲げ、感覚刺激による脳のリズム活動の変化に着目した新しいサービスの開発に向けた共同研究に取り組んでいる。