【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

厚労省 かかりつけ医機能の定義を法定化 新たな機能報告制度を創設 医療法改正へ

公開日時 2022/11/29 04:51
厚生労働省は11月28日、かかりつけ医機能の定義を法律で定める方向で検討を開始した。現行制度では、医療法施行規則(省令)で「身近な地域における日常的な医療の提供や健康管理に関する相談等を行う機能」と規定されており、同省はこれを法律に格上げすることを軸に検討を進める。医療機関が機能を都道府県に報告する「かかりつけ医機能報告制度」を創設。あわせて、国民に医療機関の機能を情報提供する「医療機能情報提供制度」の拡充も図り、国民・患者がニーズに応じて医療機関を選択することを後押しする考え。同省は年内にも議論を詰め、次期通常国会に改正医療法案を提出する方針。

厚労省は同日開かれた社会保障審議会医療部会に改革案を提示した。改革案は、「かかりつけ医機能報告制度の創設による機能の充実・強化」と「医療機能情報提供制度の拡充」が軸。かかりつけ医を持つことを義務化とせず、あくまで国民・患者が医療機関を選択して活用することを後押しする。

◎「かかりつけ医機能報告制度」で医療機関の機能を都道府県に報告 地域で機能強化の具体策を検討

かかりつけ医機能報告制度では、医療機関に機能の有無や、機能を担う意向を都道府県に報告してもらう。他の医療機関と連携して提供できる機能や、他院を支援する意向の報告も求める。この報告に基づいて都道府県は、地域における機能の充足状況や、機能を有する医療機関を確認したうえで公表。地域の協議の場で不足する機能を強化する具体的な方策を検討し、地域一体で機能を発揮してもらいたい考え。

具体的な機能としては、高齢者の場合として①持病(慢性疾患)の継続的な医学管理、②日常的によくある疾患への幅広い対応、③入退院時の支援、④休日・夜間の対応、⑤在宅医療、⑥介護サービス等との連携-を例示した。今後、具体的な機能については有識者や専門家の参画を得てさらに詳細を検討する方針。2024~25年度に個々の医療機関からの報告や地域の協議の場での議論を開始し、26年度以降に医療計画に適宜反映する考え。

◎患者と医療機関の“かかりつけ”の関係の確認 継続的な医学管理が必要な患者に書面交付と説明も

患者と医療機関の“かかりつけ”の関係の確認については、医師により継続的な医学管理が必要と判断される患者に対して、患者が希望する場合に、書面交付と説明を通じて、患者と医療機関がかかりつけの関係を確認できるようにすることも提案した。改革案では健康な人の予防などでのかかりつけ医機能は想定していないとしている。厚労省医政局の岡本利久総務課長は、「診療以外に新しい契約関係を法的に生じさせるというようなことではなく、インフォームド・コンセントの一環として説明文書に位置づけられる性格のものであると考えている」と説明した。

◎医療機能情報提供制度 国民、患者のわかりやすい項目に見直しへ

一方、医療機能情報提供制度については、現行の情報提供項目について具体性の乏しさや診療報酬点数で理解しづらいなどの指摘があったことを受け、国民、患者がわかりやすいものに見直す考え。例として、▽対象者の別(高齢者、子どもなど)、▽日常的によくある疾患への幅広い対応、▽医療機関の医師がかかりつけ医機能に関して受講した研修など、▽入退院時の支援など医療機関との連携の具体的内容、▽休日・夜間の対応を含めた在宅医療や介護との連携の具体的内容-をあげた。現在は都道府県ごとに公表されているが、2024年度以降、全国統一化も図る方針。

かかりつけ医をめぐっては、コロナ禍で医療機関の機能分化や連携の重要性が指摘されるなかで、機能発揮の重要性が浮き彫りとなっていた。今年6月に閣議決定された骨太方針には、「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」が盛り込まれ、11日に開かれた全世代型社会保障構築会議では、医療機関、患者それぞれの手上げ方式が提案されていた。


プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(4)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー