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エーザイ SCIENCEINSIDERの報じたレカネマブ治験2例目の死亡報告 「リスク上昇に関与せず」と否定

公開日時 2022/11/30 04:51
エーザイは11月29日、米科学誌サイエンスのオンライン版SCIENCEINSIDERに掲載されたアルツハイマー病治療薬候補レカネマブの治験で同剤との因果関係を指摘される2例目の死亡例についての報道を受け、「レカネマブ治療が被験者全体の死亡リスクの上昇あるいは特定の原因による死亡リスクの上昇に関与していない」とのコメントを発表した。同社は、きょう30日に開催するアルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)のサイエンティフィックセッションで、レカネマブの安全性データを含む「Clarity AD試験」の結果を発表する予定。

米科学誌サイエンスのSCIENCEINSIDERは、認知機能低下でレカネマブの治験に参加していた65歳の米国人女性患者が脳出血で死亡したと報じた(11月27日付)。女性患者はシカゴのノースウエスタン大学医療センターの緊急治療室で、脳卒中と脳浮腫を診断され、その後、t-PA療法(血栓溶解療法)を行った後に大出血が起こり死亡したという。サイエンス誌によると、患者の夫の要請で剖検を行ったアルツハイマー病研究者で神経病理学者であるルドルフ・カステラーニ氏は、レカネマブに関連して死亡した他の患者と同様に、女性患者は脳血管の多くを取り囲むアミロイド沈着物を持っていたと指摘。その上で、レカネマブの投与が血管に炎症を起こし、弱体化させた後に、それが脳出血の一因となった可能性があるとの見解を示したと報じている。

◎エーザイ 臨床試験において血栓溶解剤が併用された被験者の死亡は「既に当局に報告」

こうした報道を受け、エーザイはコメントを発表。「これまで得られている全ての安全性データは、レカネマブ治療が被験者全体の死亡リスクの上昇あるいは特定の原因による死亡リスクの上昇に関与していないことを示している」と指摘。「このたびサイエンス誌が報道した、レカネマブの臨床試験において血栓溶解剤が併用された被験者がお亡くなりになられたことについては、既に当局に報告している」と明らかにした。さらに、「エーザイは、治験責任医師とのコミュニケーション、独立評価委員会とのコミュニケーション、インフォームド・コンセントの改訂など、様々な適切なメカニズムを通じて、安全性に関する重要な情報を施設、治験責任医師、被験者に速やかに伝達している」ともコメントした。

なお、この日の東証はSCIENCEINSIDERの報道を受けてエーザイの株価が急落。レカネマブの共同開発を行っている米・バイオジェンも米国市場で株価が大幅安を招く事態となった。

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