東和薬品・吉田社長 同業者との協業「確実に進んでいる」管理基準や品質基準を確認 26年目途に公表
公開日時 2025/11/11 04:50

東和薬品の吉田逸郎代表取締役社長は11月10日の2026年3月期第2四半期決算説明会で、「同業者との協業について、来年(2026年)には一定の話ができるところまで進んでいる」と明かした。Meiji Seikaファルマの新コンソーシアム構想や、日医工・沢井製薬による製造所集約と品目統合など、他社の協業の動きを捉えた発言。吉田社長は、すでに175億錠生産体制が完成したと述べながらも、目標値プラス50億錠、合計225億錠の生産を満たす体制を実現したいと強調。(協業については)東和薬品の考える管理基準や品質基準で製造できるかを確認した上で話を進めていると述べ、「若干時間が掛かっている」との認識を示した。
吉田社長は、「今回175億錠の生産体制が完成したが、これでも限定出荷がゼロになっていない。さらなる増産体制をどうするかは、2~3年前から同業者との協業という中でお話させていただいている」と述べ、協業については、「かなり確実に進んでいる」と強調した。
◎プラス50億錠、合計225億錠を目指す それを満たす生産を協業の中で実現したい
東和薬品が考える協業について吉田社長は、「製品の品質管理、製造管理が問題になっている。我々の管理基準を相手方に話し、一定の品質基準で製造できるというのを確認した上で話を進めている」と述べ、業界内でこれまで用いた「委受託」と「協業」は違うとの認識を示した。さらに、同社の175億錠生産体制について、「我々の供給量は20%を切ったところ。もう少し自動化、機械化を進め、スケールアップやまとめ生産を計画している」と述べ、次の目標値プラス50億錠、合計225億錠を視野に入れた。一方で吉田社長は、「一杯いっぱいで生産しているので、何かあった時のバックアップ生産体制が非常に危うい」と指摘。「これからの新しい安定供給体制は、その数を余力として持っておかないといけない。その数字がどこまで実現するかを見ながら協業を進めているというところだ」と説明した。
◎26年3月期第2四半期連結 生産数量の増加に伴う販売数量増で5.7%増収の1304億円
同社の26年3月期第2四半期連結決算は、生産数量の増加に伴い販売数量が増加したことなどで売上高は前年同期比5.7%増収の1304億円。営業利益は、三生医薬で原価率が上昇したことに加えて、Towa INTで販管費が増加したことで、0.7%減の104億円だった。東和薬品単体の業績は、売上高が前年同期比8.1%増の904億円、セグメント利益は2.2%増の125億円の増収増益。
販売数量実績(東和薬品単体、錠剤・カプセルのみ)は約76億錠で対前年同期5.6%増、通期計画進捗率は47.7%だった。生産数量実績は約80億錠で対前年同期17.0%増加、通期計画進捗率は49.3%だった。