日医・松本会長が所信表明 「医療関係団体、全国知事会と力合わせ、難局に立ち向かう」 組織力強化へ
公開日時 2026/06/29 05:02

日本医師会の松本吉郎会長は6月28日の臨時代議員会で所信表明し、「四師会や、四病院団体協議会、全国医学部長病院長会議、全国有床診療所協議会をはじめとした医療関係団体、全国知事会等とも力を合わせて、医療を取り巻く難局に立ち向かう覚悟だ」と決意を新たにした。国立大学協会と、日本私立医科大学協会からの推薦者2人を新たに参与を迎えたことも説明し、「一層大学との連携を強化して課題に取り組む」と話した。「医師会活動においては、情報共有、相互理解、コミュニケーションが重要であり、引き続き地域医師会と緊密な連携を維持・強化する」とも話し、関係団体との連携強化に力を入れる姿勢を強調した。
松本会長は前日27日の定例代議員会で会長として3選を果たした。重点施策として、「組織強化のさらなる取り組みと関係団体との連携強化」をあげた。全体の会員数は過去最高となる一方、高齢化等により、開業医を主体としたA①会員の割合は減少傾向にあると説明。「日本医師会、都道府県医師会、郡市区等医師会が一体となって、医師会員であることが実感できる取り組みを、積極的に進める」と述べた。また、政治とは、「特に普段からのコミュニケーションを大事にしており、これまで築き上げてきた“顔の見える関係”をさらに発展させる」と強調した。
◎国民皆保険堅持を「必要かつ適切な医療は保険診療で」 国民の理解と協働が不可欠
国民皆保険制度を堅持する重要性にも言及した。「今後ますます社会保障を取り巻く環境は厳しくなるものと予想されるが、必要かつ適切な医療は保険診療により確保しなければならない」と表明。公助、共助、自助のバランスを取り、特に自己負担のみを上げないこと、低所得者等への配慮が極めて重要であることを強調してきたと振り返り、「引き続き、国民の目線に立って主張する」と述べた。「物価高勝や賃金上昇も喫緊の課題であり、診療報酬のみならず、補助金や税制措置など、あらゆる選択肢を含め、今後も医療政策の提言と実現を図る。医療界や国民の不安を招いている医薬品等の安定供給の課題の解決に向けて、確実に取り組む」ことも強調した。
医療環境向上のために、「国民の理解が欠かせず、また、国民の支持が得られてこそ、より良い医療提供体制が維持・改善でき、国民皆保険制度の堅持がより現実的なものになる」との見解を表明「“国民の生命と健康を守る使命”を果たすため、より一層国民の理解と協働を得ることができるよう、“国民と共に歩む、信頼される医師会”を目指す」と強調した。そのために、広報戦略の充実に注力する姿勢を示した。
◎2040年以降見据えて医療政策を推進 会内委員会、日医総研の中長期的検討を踏まえ

中長期的な視野に立った検討の必要性も指摘。「地域の実情をよく知る都道府県医師会役員を中心とした会内委員会こそがまさに日本医師会のシンクタンク」との見方を表明。「地域からあげられた情報を踏まえ、将来に向けた分析・検討をいくつかの会内委員会に諮問し、中長期的な方向性を取りまとめていただきたい」とも話した。日医総研でも、社会保障を始めとした医療の将来に向けた検討を鋭意行っており、大きな方向性を示せるよう勧めるとしたうえで、「会内委員会での議論、日医総研の検討等をフル活用し、2040年以降における医療環境の変化を見据え、幅広く議論しながら、将来に向けて着実に医療政策を推進する」と述べた。
松本会長は、診療報酬改定で本体プラス3.09%と約30年ぶりに3%を超えたプラス改定を実現したことや、医療法改正で焦点となった医師の偏在対策について医師会の意見が反映されたとの見解を表明。「引き続き、全国の医師会から寄せられるご意見をお聞きしながら、攻めるところは攻め、守るところは守るなど、攻守共にバランスの取れた執行部を目指し、引き続き攻防一体となって活動していく」と強調した。