中外 合成抗菌薬バクトラミン 致死率ほぼ100%のニューモシスチス肺炎の効能追加を公知申請
公開日時 2012/02/14 04:02
中外製薬は2月13日、合成抗菌薬トリメトプリム・スルファメトキサゾール製剤(販売名:バクトラミン)について、「ニューモシスチス肺炎(PCP)及びその発症抑制」に関する追加効能の公知申請を同日付で行ったと発表した。同剤は11年12月に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請に該当すると判断され、12年2月の薬食審医薬品第二部会で公知申請を了承され、今回の申請に至った。
PCPは、HIV感染や免疫抑制剤の使用などによる免疫不全状態の患者に発症するいわゆる日和見感染症のひとつで、無治療の場合はほぼ100%の致死率といわれる。HIV感染者では、AIDS指標疾患の中でPCPの発症率が約40%と最も高く、PCPによる1か月あたりの死亡率は発症者の15~20%と推定されている。
また、免疫抑制剤使用患者など非HIV感染者の場合は症状が急激な経過をたどることが多く、1か月あたりの死亡率は非HIV感染者で約40%、特に人工呼吸管理を必要とする患者では約60%に達すると推定されている。