米国医薬品市場 09年はマイナス成長の可能性
公開日時 2009/03/12 23:00
IMSジャパンのアラン・トーマス氏(グローバル・キー・アカウント・ディレ
クター)は3月12日、本誌取材に対し、現在の深刻な経済危機(景気悪化)が
米国市場にマイナス1~2%の影響を与えることを明らかにした。IMSは08年1
0月、09年の米国市場はプラス1~2%の成長と予想しており、今回の分析結
果と重ねあわせると、結果として横ばいかマイナス成長に陥ることになる。
上位15ヵ国の市場を対象に景気悪化が市場に与える影響を調べた。患者の服薬
コンプライアンスの悪化(1日2回の服用を1回にするなど)、受診率の悪化、
処方量の減少、後発品の使用状況―などを基に分析。トーマス氏によると、特
に後発品の使用では、新規有効成分の医薬品や次世代の新薬があっても、一世
代前の成分の後発品が使用されるケースが散見され、「医学的な理由ではなく、
明らかに経済的な理由で決断がされている。以前にはあまり見られなかったこ
とだ」と話した。
上位15ヵ国の分析結果では、経済悪化によって平均0.75~1.25%のマイナスの
影響が出て、3~4%成長(08年10月発表:4~5%成長)にとどまる。特に
患者自己負担割合の高い市場で影響が大きく、「米国は特に大きな影響が出た」
(トーマス氏)。一方で日本市場は、0.25~0.75%のマイナスの影響で、3~
4%成長(同4~5%成長)となる見込みだ。