後発医薬品大手３社の10年３月期第２四半期（４－９月）の連結決算が11月９日に出そろった。沢井製薬、大洋薬品工業、東和薬品の３社はともに２桁の増収となり、利益面でも大幅増益となった。政府の後発品使用促進方針の中でDPC病院や調剤薬局での後発品の採用が増え、個別品目ではCa拮抗薬アムロジピンやPPIランソプラゾールなど大型製品の後発品が順調に売り上げを伸ばした。

一方で、今後の日本の後発品市場については沢井と東和が、「不透明な状況」との見方をそろって示した。９月に発足した民主党政権の後発品に関する基本的なスタンスが見えないことが理由。ただ、「さらなる推進策が実施されると思われる」（東和）、「民主党政権は（様々な分野で）たくさん出費するので、どこかで節約しないといけない。ジェネリックしかないのではないか」（沢井の澤井光郎社長）ともコメントし、厳しい国家財政や医療保険財政を踏まえると、後発品の使用促進の流れは今後も変わらないとの観測も示した。

【沢井製薬・連結業績（前年同期比）、通期予想（前年同期比）】
売上高　239億7200万円（12.2%増）、490億円（10.6%増）
営業利益　35億2900万円（96.1%増）、68億円（45.7%増）
経常利益　34億8500万円（101.8%増）、67億円（49.6%増）
純利益　20億円（117.5%増）、38億円（55.8%増）

【大洋薬品・連結業績（前年同期比）、通期予想（前年同期比）】
売上高　227億5800万円（13.1%増）、483億6400万円（15.1%増）
営業利益　36億8300万円（20.0%増）、68億7100万円（13.5%増）
経常利益　33億9300万円（23.0%増）、62億800万円（16.1%増）

【東和薬品・連結業績（前年同期比）、通期予想（前年同期比）】
売上高　190億6800万円（11.3%増）、393億円（9.3%増）
営業利益　37億4800万円（42.1%増）、76億円（18.6%増）
経常利益　31億8000万円（14.3%増）、71億円（6.2%増）
純利益　19億1000万円（14.6%増）、42億6000万円（12.8%増）