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エーザイ アリセプト錠23mg 機序異なるAD薬メマンチン併用でも有意な効果

公開日時 2010/07/28 04:00

エーザイは7月27日、東京都内で、中等度・高度アルツハイマー型認知症(AD)に対する高用量製剤「アリセプト錠23mg」(一般名:ドネペジル塩酸塩)が米国で承認を取得した(27日号で既報)ことを受け、米国現地とのウェブ会見を開いた。米国子会社ニューロサイエンス・プロダクト・クリエーション・ユニットのプレジデントを務めるリン・クレイマー氏は、承認データとなった「326試験」の副次評価項目の結果として、「重要なベネフィットが特定患者にある」と指摘。具体的には、23mg製剤と、アリセプトと作用機序の異なるAD治療薬メマンチン(一般名)を併用すると、統計的に有意な効果が示されたことを紹介した。

アリセプトとメマンチンは症状の進行を抑える点では同じ。しかし、アリセプトは記憶などに関わる神経伝達物質アセチルコリンの分解酵素を阻害してアセチルコリン濃度を高めるのに対し、メマンチンは神経伝達物質グルタミン酸のN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体に働きかけ、過剰グルタミン酸による神経細胞毒性などを抑制する。日本でメマンチンは、独メルツから導入した第一三共子会社のアスビオファーマが今年2月に承認申請している。

アリセプト錠23mg製剤の326試験は、対照薬として同剤10mg製剤を用いた実薬対照比較試験。中等度・高度AD患者1467例を分析した。23mg投与群、10mg投与群ともメマンチンとの併用患者が約3分の1含まれる。主要評価項目は▽高度に障害された認知機能を評価するSIB▽全般的臨床症状の変化を評価するCIBIC plus――の2つで、SIBでは有意な効果を示したものの、CIBIC plusでは有意差が出なかった。クレイマー氏はウェブ会見で、CIBIC plusでの結果について、「様々なサブ母集団をより深く見ると、臨床的に重要なベネフィットが特定患者にある」と述べ、特定患者の例として、メマンチン併用患者や、認知機能障害の判定に用いるMMSEで16点以下(30点満点で、0点ほど重症度が高い)の患者を挙げた。

23mg製剤は、中等度・高度ADの適応症を持つ10mg製剤を最低3か月投与した上で、ADの進行がみられる患者に使用できる。単剤及びメマンチンなどとの併用が可能。ADは薬物療法で症状の進行抑制ができても、徐々に進行していく疾患なので、新たな治療の選択肢が求められていた。
 

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