シンバイオ アルツハイマー型認知症治療薬候補のライセンス契約締結 共同研究先の米・タフツ大から
公開日時 2025/12/26 04:46
シンバイオは12月25日、アルツハイマー型認知症を含む脳神経変性疾患の治療薬候補となるブリンシドホビル注射剤(IV BCV)について、共同研究を行ってきた米・タフツ大との間でグローバルにおける独占的な事業化を目的にライセンス契約を締結したと発表した。共同研究の成果を基に特許出願しており、シンバイオは開発および商業化に関する独占的権利を有することとなる。契約は2026年1月1日に発効する。
シンバイオによると、タフツ大学の共同研究では、神経幹細胞由来の細胞に単純ヘルペスウイルス1型 (HSV-1)を感染させることで、アルツハイマー型認知症の主要な原因物質であるアミロイドβの蓄積や、リン酸化したタウタンパク質の増加、神経炎症に伴うグリオーシスなどが起こることを突き止めた。さらに、HSV-1に感染した神経細胞を高い抗ウイルス活性をもつIV BCVで処置することにより、アルツハイマー型認知症の所見が顕著に抑制されたという。
同社の吉田文紀代表取締役社長兼CEOは「この度のタフツ大学との共同研究による発見は、現在アルツハイマー型認知症の治療に用いられているアミロイドβを除去する抗アミロイドβ抗体薬とは異なり、低分子で高い抗ウイルス活性をもつIV BCVが新たな治療選択肢となる可能性を示すものだ」と期待感を表明。共同研究の成果に基づき、アルツハイマー型認知症や軽度認知障害(MCI)に対する治療薬の開発を進めていくとしている。