創薬に必要な知財をパッケージしライセンス 日本初の知財ファンド設立へ
公開日時 2010/08/09 04:02
大学や公的研究機関に分散し、利用しづらかったライフサイエンス関係の知財を集約し、必要な周辺技術も併せてパッケージでライセンスすることで、より創薬に役立てられるようにしようと、それを行う知財ファンドが設立されることになり、8月6日に発表された。知財ファンドは日本初という。9月~10月には本格稼動となる見通しだ。
設立されるファンドは「LSIP」の名称で、知財の活用支援する知的財産戦略ネットワーク株式会社(=IPSN 社長:秋元浩氏)と、ベンチャーキャピタルの株式会社産業革新機構(=INCJ 社長:能見公一氏)が設立する。対象にする知財は、バイオマーカー、ES/幹細胞、がん、アルツハイマーの4分野。
発表によると、これまでの知財は各大学ごとにばらばらに分散し、活用するベンチャーなど企業側にとっては、必要な知財がまとまっておらず、周辺技術も十分に押さえられていないといった問題があり、活用しづらさがあった。そこでLSIPは、大学や公的研究機関、企業に分散していた知財を集約し、不足しているデータの収集のための補足研究や周辺特許の取得を進める。それで知財を活用しやすい形にし、ライセンスしていく考え。
運営はIPSNが当たる。INCJはLSIPに対して、設立時に6億円の出資を行うとともに、事業の進捗に応じて今後3年間で計10億円を上限に出資を行う方針。民間からの出資にも応じ、すでに武田薬品が出資を決定しているという。