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静かなる巨人Teva 米国で年間6295億枚分の処方せん薬を供給

公開日時 2010/10/04 04:00

アメリカの医師が一年間に処方する処方箋の6枚に1枚、すなわち年間6295億枚の処方せんは同じただひとつの製薬企業のTeva Pharmaceutical Industries, Ltd.が供給する医薬品でまかなわれている。6295億枚という処方せん数は世界に冠たる巨大製薬企業Pfizer(2646億枚)、Novartis(2388億枚)、Merck(1231億枚)3社が供給している処方箋の年間合計枚数を上回っている。(西村由美子)


売り上げ処方せん数ランキングでみたアメリカのトップ10製薬企業のうち6社はジェネリック製薬。トップのTeva に続く第2位はMylan Labs、以下Watson(5位)、Qualitest Products(7位)、Apotex(8位)、Lupin Pharmaceuticals(10 位)と続く。いわゆる従来の製薬企業でランク入りしている4社はPfizer(3位)、Novartis(4位)、Merck (6位)、AstraZeneca(9位)。トップ10にランクされたジェネリック製薬企業6社が2009年に対応した処方せん枚数は合計1兆3975億枚で、従来の製薬企業4社の合計7096億枚のほぼ2倍となっている。


トップのTeva Pharmaceutical Industries, Ltd.は http://www.tevapharm.com/ 、イスラエルに本社を置き、世界中に約に4万人の従業員を抱え、世界38か所の製造拠点で年間合計600億以上のタブレットを製造している文字通りグローバルなジェネリック製薬企業。売り上げの80%(2009年度実績US$13.9B)は北米およびヨーロッパでの販売で、処方せん枚数でアメリカ国内ナンバーワンとなっていることは上述のとおり。


創業は100年前にさかのぼるが、ジェネリック製薬への転換は、アメリカでいわゆるHatch-Waxman Act(Drug Price Competition and Patent Term Restoration Act,1984)が成立し、ジェネリック薬の製造が可能となった1980年代後半以降のことである。以来、Tevaは事業をジェネリック製薬に焦点化し、ブランドを確立しつつ、アグレッシブなM&Aによって事業を拡大して成長してきた。最近10年間に費やしたM&A経費は少なく見積もってもUS$20B 、買収した企業は12社を下らないと言われているが、Tevaのこの10年の成長には目覚ましいものがあり、1999年にはおよそUS$1.3Bであった売り上げを2009年にはUS$14Bまで伸ばしている。


Tevaのようなジェネリック製薬にはオバマ政権の医療保険改革法はまさに追い風である。ジェネリック薬は医療費の抑制・節減に多大な貢献をしていると高く評価されており、無保険層に保険給付が拡大されれば、低価格のジェネリック薬への需要も一挙に拡大すると見込まれているからだ。次の10年の成長やいかに?注目される企業群である。

 

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