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スズケン第2四半期決算 卸事業で営業赤字計上

公開日時 2010/11/08 04:02

スズケンが11月5日に発表した11年3月期第2四半期(4-9月)連結決算のうち、医薬品卸売事業の業績をみると、医療機関、調剤薬局との価格交渉を厳しく見積もった結果、営業利益ベースで赤字を計上した。通期では黒字転換を見込むもの営業利益率は0.38%にとどまると試算している。ただ同業他社の首脳は、「まったく信じていない。ではなぜ全体の経常利益が高いのか。うちの(決算の)やり方であればそう(営業赤字に)ならない」などと話し、未妥結先の利益見込みなどが根本的に異なるとの見方を示した。

9月末の妥結率(単体)は、金額ベース45.0%、軒数ベース79.9%。2年前の9月末は同68.5%、91.4%だった。なお全体の業績は、医薬品製造事業、保険薬局事業などが貢献し、医薬品卸売事業の業績悪化分を吸収。営業利益を確保した。

同社は、厚生労働省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」(流改懇)の緊急提言を受け、流通改善に取り組むとともに、4月に導入された新薬創出加算の恒久化に向けた対応を進めた。医療機関、調剤薬局への対応としては、適正利益の確保を目指したものの、同業他社の攻勢を受け、価格を再提示することになったといい、「取引を確保した得意先でも、当初想定どおり利益を確保できず、中には他社に取引を奪われたものもある」などと、業績悪化理由を説明した。

◎卸事業通期予想 黒字転換を見込むも営業利益率0.38%

10年度第2四半期の連結業績は、売上高8518億円(前年同期比0.2%増)、営業利益23億7900万円(58.5%減)、経常利益95億8900万円(25.9%減)、純利益51億3200万円(27.2%減)だった。

セグメントでみると、医薬品卸売事業は、売上高8102億1800万円(0.4%減)、営業損失23億3900万円(赤字)。保険薬局事業は、売上高333億7400万円、営業利益10億2400万円(セグメント変更で前年比較なし)。医薬品製造事業は、売上高340億6400万円(3.5%増)、営業利益31億1600万円(16.7%減)。

新薬創出加算の影響による価格交渉の難航、卸間競争の激化により、10年度通期連結業績予想も、売上、各利益とも下方修正した。修正後の予想は、売上高1兆7684億円(前回予想比0.5%減)、営業利益145億円(33.5%減)、経常利益290億円(20.5%減)、純利益160億円(21.6%減)。
 

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