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【ASHリポート】再発・難治性の多発性骨髄腫 レナリドミドは他剤に比べ末梢神経障害の発現頻度低い

公開日時 2010/12/13 06:01

再発・難治性の多発性骨髄腫(MM)の薬物治療でレナリドミドは、他の薬剤と比較して末梢神経障害の発現頻度が低いことが示された。ベルギー・ルーヴェン大学血液学部門のMichel Delforge氏らが市販後の使用調査集計から明らかにしたもので12月4日、米国・フロリダ州オーランドで開催された米国血液学会(ASH)2010年次学術集会でポスターセッションで報告した。


Delforge氏らの調査対象はヨーロッパ15カ国177施設で予め同意が得られた再発MM患者情報1011例。1011例の治療薬内訳はレナリドミド+デキサメサゾン658例、ボルテゾミブをベースにした治療207例、サリドマイドをベースにした治療53例、その他の治療43例など。前治療でレナリドミド投与歴がある患者は対象から除外した。治療期間中央値はレナリドミド群6.4カ月(95%CI 5.5-7.4)、ボルテゾミブ群3.8カ月(95%CI 3.5-4.2)、サリドマイド群6.6カ月(95%CI 3.5-10.9)。各群間で年齢、性別、ECOG(東部腫瘍学共同研究グループ)パフォーマンス・ステイタス、前治療歴、クレアチニン・クリアランスなどの患者背景に有意差はなかった。


調査による有害事象発現率はレナリドミド群50%、ボルテゾミブ群45%、サリドマイド群70%で、有害事象による治療中止例はレナリドミド群14%、ボルテゾミブ群16%、サリドマイド群25%だった。薬剤に関連するグレード3以上の末梢神経発現率はレナリドミド群1%、ボルテゾミブ群4%、サリドマイド群0%で、レナリドミド群で1%、ボルテゾミブ群で5%が末梢神経障害を理由に治療が中止されていた。


これら1011例の39%にあたる319例で調査開始時点で既に何らかの末梢神経障害が確認され、このうち51%はボルテゾミブの前治療が原因のもので、48%がサリドマイド前治療によるものだった。末梢神経障害既往率を群別にみると、レナリドミド群39%、ボルテゾミブ群21%、サリドマイド群17%。


そのうえで調査開始時点(ベースライン)と各群の薬剤での治療4カ月後の末梢神経障害の状態が確認できたレナリドミド群203例、ボルテゾミブ群55例、サリドマイド群19例で末梢神経障害を観察・集計した。


その結果、末梢神経障害発現頻度はレナリドミド群がベースライン時42%、4カ月後31%、ボルテゾミブ群がベースライン時27%、4カ月後26%、サリドマイド群がベースライン時、4カ月後ともに16%で、レナリドミド群では4カ月後に末梢神経発現頻度が有意に低下していた(p<0.0001)。

3群を比較すると、治療期間中央値がボルテゾミブ群よりもレナリドミド群とサリドマイド群で長く、副作用発現率はサリドマイド群よりもレナリドミド群、ボルテゾミブ群で低かった。また、重篤な末梢神経障害発現率はボルテゾミブ群に比較してレナリドミド群が低く、Delforge氏は「レナリドミドは概して忍容性が高く、多発性骨髄腫の効果的治療を可能にする」と結論付けた。
 

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