日本の医薬品流通コストは割高なのではないかとの指摘が医療施設やメーカーにある中で、日本医薬品卸業連合会が日米欧の医薬品卸業のコスト比較した調査研究を行い、製品１個販売したときのコストは「高いとはいえない」とする報告書をまとめた。

調査研究は卸連国際委員会が行ったもので、12月16日に発表した。日本には販促などを行うMSが欧米卸にはない機能として知られているが、この調査では配送先数も約16万施設と、欧米卸の２倍以上に上ることが分かった。そこに対しMSは年間約530万回のコールを行っていた。

日本の薬価を100として、販管費や営業利益が含まれる粗利益を比較したところ、日本6.3、米国7.2、欧州6.2と、日本が突出して高いわけではなかった。それらから報告書では、日本の卸業の配送先数、交渉先数の多さを考慮すれば「製品１個販売したときの販管費は、国際間比較において決して大きすぎるものではない」とまとめた。