PhRMAメンバー、887剤に上る抗がん剤を開発中
公開日時 2011/04/14 04:00
米国研究製薬工業協会(PhRMA)の会員会社は現在、合計887剤に上る抗がん剤を開発中あるいは承認申請済みであることが分かった。PhRMAが4月5日にまとめた報告書で明らかにした。PhRMAが初めて同様調査を行った1988年には抗がん剤はわずか65剤だった。抗がん剤の数は徐々に増加、2005年には約400剤に達したが、今年で05年の2倍を超える数となった。
抗がん剤開発数の急増について、PhRMAのJohn J・Castellani理事長兼CEOは、「がん細胞の進展、増殖、拡散などについてかつてなく理解が深まったことで、がんを叩く新規標的や治療法が開発されたことが大きい」と説明、急速に進展する科学技術や研究者の積極的関与によりがん治療の新規の手掛かりを獲得し、がん撲滅への望みが出てきたとの考えを示した。
新規抗がん剤の登場で1975年以降、5年生存率は増加傾向となっており、特に、乳がん、前立腺がん、結腸・直腸がん、肺がんでは5年生存率が目覚ましく向上しているが、がんは依然死亡率の主要因であることに変わりはない。PhRMA科学・薬事規制執行委員会のGarry Neil委員長(ジョンソン・エンド・ジョンソン科学技術担当副社長)は、第2次大戦中にウィンストン・チャーチルが述べた、「これ(大戦)は終わりではなく、ましてや終わりの始まりでもない」を引用、がんとの闘いの真っただ中にあるとの認識を示した。しかし、がんに対する新規治療法の登場を背景に、「我々は、多くのがんにとっての終わりの始まりに向かって進んでいる」と抗がん剤開発が前向きに進んでいることを評価した。