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武田薬品のニコメッド社買収で大筋合意 買収金額は1兆1540億円規模

公開日時 2011/05/13 21:00

ウォールストリート・ジャーナルなど外電各紙は、武田薬品工業がスイスの非上場製薬企業・ニコメッド社(本社・チューリッヒ、ハカン・ビョルクルンド最高経営責任者)を買収することで大筋合意し、近く発表される見通しだと報じた。買収金額は80~100億ユーロ(約1兆1540億円)と推定され、もし買収が実現すれば、武田薬品は製薬企業世界ランキングでトップ10入りする可能性が指摘されている。


◎武田薬品による買収規模は国内製薬としても過去最大


報道などによると、既に武田薬品はニコメッドの株式を保有する主要ファンドと交渉中で、同交渉は最終段階に入っている。現在のニコメッドの筆頭株主はノルディック・キャピタル。ほかにクレディスイス系のDLJーチャント・バンキングやアビスタなどのファンドも株主に名を連ねている。武田薬品側はファイナンシャルアドバイザーにドイツ証券を起用して交渉を進めている模様だ。


今回の買収については、同社の看板商品でもあるチアゾリジン系経口糖尿病治療薬・アクトス(一般名・ピオグリタゾン)が、アメリカでの後発品登場により今後大幅減収が予想されていることに対する防衛策の意味合いが強いとされる。


一方で、武田薬品は、インドをはじめとする新興国市場への進出では、国内の競合他社に比べて大幅に遅れている。ニコメッドは売上の約4割がアジアやロシア、中南米など新興国市場が占めており、15年までにこの割合を6割に引き上げる目標を示している。このため買収により規模拡大だけでなく、新興市場でのプレゼンスを大幅に強化するきっかけにもなると見られている。


今回の買収は、武田薬品による08年の米ミレニアム・ファーマシューティカルズの89億ドル(約7200億円)での買収を超え、最大となるだけでなく、国内製薬企業としても過去最大規模。また、日本企業による海外企業買収としては 07年のJTによる英ギャラハー買収(約2兆2000億円)、06年のソフトバンクによる英ボーダフォン日本法人の買収(約1兆9000億円)に次ぐ規模になる。


◎ニコメッドの売上規模は32億ユーロ


ニコメッドは1874年にノルウェーで創業。2010年12月期の売上高は32億ユーロで、従業員数は約1万2500人。主力品は消化性潰瘍薬、喘息治療薬、手術用止血パッチ、骨粗鬆症治療薬など。製品は世界100カ国上で発売されており、ロシア、ブラジルなどの新興市場などのほか、ドイツ、イタリア、スペインなどのヨーロッパ市場でも一定のプレゼンスを有している。
また、欧州とインドに研究開発センター4カ所、13カ国で製造施設15カ所と2つの合弁事業を展開している。
 

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