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武田薬品 米国で腎性貧血用薬ペギネサタイドの販売許可取得 日本は導出先検討中

公開日時 2012/03/29 04:01

武田薬品と米Affymax社は3月28日、腎性貧血治療薬OMONTYS(一般名:ペギネサタイド)について、米FDAから成人の透析期患者に対する腎性貧血の適応症で販売許可を取得したと発表した。透析患者を対象としたESA(赤血球造血刺激因子製剤)製剤では、米国では初の1か月製剤。日本では保存期および透析期の腎性貧血に対する適応症でフェーズ3試験をほぼ終了する段階だが、国内では同社は販売を行わない方針を明らかにしており、今後については他社への導出もひとつの選択肢としてAffymax社と協議していく予定。

OMONTYSの旧製品名はHematid。既存のESA製剤が遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン製剤であるのに対し、OMONTYSは化学合成で創られた初のPEG化された合成ペプチド製剤。通常のESA製剤は免疫反応を惹起し、抗エリスロポエチン抗体が関連した赤芽球癆などに結びつく可能性があるが、OMONTYSはその可能性はない。また、月1回製剤のため、利便性が高いという特徴を有する。

同剤の販売許可取得は、約1600人の透析期患者を対象に有効性と安全性を評価した2つの無作為化・非盲検臨床のフェーズ3試験(EMERALD1、2)の結果にもとづいて行われた。透析患者は糖尿病や心疾患など複数の合併症を併発することが多いため、同試験では心血管系イベントに関する複合エンドポイントを用いてESA製剤の心血管系リスクが評価されている。この結果は、今年4月のNational Kidney Foundation春季臨床会議で発表された。 

それによると、EMERALD1は人工透析を3カ月以上受け、かつエポエチンアルファを静脈注射で8週間以上投与されていた803例が対象。OMONTYSは月に1回、対照薬は週1~3回投与された。主要評価項目はベースラインからのHb値の平均変化量(g/dL)。

Hb値が目標範囲内に維持された患者の割合は、評価期間および長期投与期間(第29~52週)の4週間で、OMONTYS群が67~75%、対照群(エポエチンアルファ、エポエチンベータ)が68~75%。両群とも輸血の必要性を高めることなくHb値が維持された。有害事象は対照群と同等で、主なものは下痢、咳、呼吸困難、吐き気。有害事象の発生率は同等であり、心血管系イベント(死亡、脳卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、鬱血性心不全、不整脈)の発生率は同等だった。

EMERALD2試験は人工透析を3カ月以上受けており、かつエポエチンアルファまたはエポエチンベータを静脈または皮下注射で8週間以上投与されていた823例が対象。OMONTYSは月1回、対照薬は週1~3回投与された。主要評価項目はベースラインからのHb値の平均変化量(g/dL)。

Hb値が目標範囲内に維持された患者の割合をみると、評価期間および長期投与期間(第29~52週)の4週間では、OMONTYS群が64~70%、対照群が65~74%で対照群と同等。輸血を受けた患者の割合も両群で同等だった。有害事象は対照群と同等で、主なものは筋痙攣、呼吸困難、吐き気、下痢。有害事象の発生率は同等で、心血管系イベントは(死亡、脳卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、鬱血性心不全、不整脈)の発生率は同等だった。 

 


 

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