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FDA HIV/AIDS患者の下痢治療薬Fulyzaqを承認

公開日時 2013/01/10 04:00

米食品医薬品局(FDA)は12月31日、抗レトロウイルス併用療法を受けているHIV/AIDS患者における下痢の治療薬Fulyzaq(crofelemer)錠を承認した。HIV/AIDS患者の多数は下痢を経験し、そのことが、抗レトロウイルス療法を継続できないか、他療法へ変更する理由になっている。Fulyzaqの適応は、ウイルス、細菌、寄生虫などを原因としない下痢となっている。同剤は、水様性下痢に対して1日2回服用。


Fulyzaqは、南米に生育するクロトン・レクレリという植物の赤い樹液から抽出された物質で、FDAが承認した2番目の植物性医薬品となった。1番目は、2006年に承認された外性器および肛門疣治療薬のVeregen(sinecatechins)である。同剤の安全性・有効性は、1か月以上の継続している下痢症状のある安定したレトロウイルス療法を受けている374例のHIV陽性患者で同剤投与群とプラセボ投与群に割り付けられ検証された。


同剤をNapo Pharmaceuticalsから導入したSalix Pharmaceuticals(ノースカロライナ州ラーレイ)によると、同剤は、CFTR(嚢胞性線維性膜貫通調節因子)およびCaCC(カルシウム活性化塩素チャネル)の両方を阻害することにより、消化管内腔への塩素イオン分泌を減少させてHIV関連下痢を改善すると考えられている。
患者の水様性便の頻度は1日2.5回(中間値)だった。有効性の臨床評価は週において水様便の頻度が2回以下に達するかどうかで観察された。


評価項目に到達したのは、Fulyzaq投与群では患者の17.6%、プラセボ投与群では8%だった。患者のなかには、20週間、下痢の抑制効果が見られた症例もあった。同剤を投与する場合には、患者の下痢が感染症や胃腸疾患によるものでないことを確認する必要がある。主な副作用は、上気道感染症、気管支炎、咳、鼓腸、肝酵素ビリルビン値上昇など。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のJulie Beitz医薬品評価第3部長は、「現在、FDAが承認したHIV関連下痢の治療薬はないので、Fulyzaqは、この厄介な症状に悩むHIV/AIDS患者に役立つだろう」とコメントした。
同剤は、Salix Pharmaceuticalsが販売する。同社のCarolyn Logan社長兼CEOは、「FulyzaqのFDA承認取得は、しばしば、抗レトロウイルス治療コンプライアンスを阻害する非感染性下痢を経験しているHIV/AIDS患者のアンメットメディカルニーズに応えるための重要な一歩となった」と述べたうえで、「消化器分野におけるSalixの専門知識がわが社をHIV患者に必要な治療を提供できるポジションに置いた」と同社の得意領域での成果を評価した。

 


 

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