大塚 CNS領域でルンドベック社と提携強化 エビリファイ月1回製剤が日本でフェーズ3段階
公開日時 2013/03/11 04:01
大塚製薬の岩本太郎社長は3月7日、徳島市内で会見し、最主力品の抗精神病薬エビリファイ(一般名・アリピプラゾール)が15年から世界で相次ぎ特許切れを迎えることから、エビリファイのライフサイクルマネジメントとともに、エビフリファイに続く中枢神経(CNS)領域での新たなクラス製品を創出すべく、デンマークのルンドベック社と開発・販売提携をより強化する考えを示した。
エビリファイは2012年の世界売上が6,466億円、前年比10.5%と2桁成長し、米国では12年度第4・四半期にクラストップ売上となった。ただ、米国では15年に、日本でも16年に特許切れを迎える。
同薬は統合失調症を適応として米国02年、日本06年に上市され、その後、世界では双曲性障害やうつ病、小児の自閉症など適応症を広げた。そして、今年3月18日には米国で、エビリファイの新剤形となる月1回投与型注射剤エビリファイ メンテナを発売する。メンテナはルンドベックとの初のコラボレーション製品となり、コ・プロモーションで展開していく。メンテナは欧州で申請中、日本ではフェーズ3の段階にあり、欧州では今年中の承認取得を見込んでいるという。
一方、日本でエビリファイは統合失調症のほか、12年に双曲性障害の適応を取得し、現在、うつ病や自閉症でフェ―ズ3が進行中だ。
中枢神経系用薬の開発では、エビリファイに続く次世代ドパミンパーシャルアゴニストBrexpiprazoleを開発中だが、岩本社長は、ルンドベックとともにエビリファイに続く、中枢神経領域のアンメットニーズを満たす脱ドパミン系の新規クラス薬の創出も目指すと表明した。(写真左 大塚製薬 岩本太郎社長 右 ルンドベック社 ウルフ・ウィンバーグ最高経営責任者)