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【ASCO速報】初回エルロチニブ投与後に耐性を示したEGFR遺伝子変異を有するNSCLC患者におけるエルロチニブと化学療法の併用療法はPFS延長せず

公開日時 2013/06/04 06:30

上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異を有する進行非小細胞肺がん(NSCLC)で、奏効後に進行した患者において、エルロチニブと化学療法の併用療法は、化学療法単独と比べ、無増悪生存期間(PFS)を向上させないことが臨床第2相試験の結果から明らかになった。米University Hospital Seidman Cancer CenterのBalazs Halmos氏らの研究グループが、5月31日から開幕した米国臨床腫瘍学会(ASCO2013)のポスターセッションで、1日発表した。


EGFR遺伝子変異を有する進行NSCLC患者でのエルロチニブに対する耐性獲得は、T790M変異またはMET遺伝子増幅を通して起こるとされる。この機序は、個々の腫瘍クローン特有のもので、再発は耐性突然変異を有する腫瘍クローンの幾つかで発生するだけで、それ以外ではEGFR経路が抑制されている間は、不活発なままの可能性がある。このことが、併用療法の論理的根拠となる。


同試験では、エルロチニブに奏効したものの、その後進行したNSCLC患者において、エルロチニブに標準治療の化学療法(ペメトレキセドまたはドセタキセル)を追加する群が、化学療法だけの群と比べ、PFSを延長するかどうかを検討した。


試験の登録条件は、①ステージIIIBまたはIV期のNSCLC、②臨床的効果が主治医の評価と画像所見(少なくとも4週間エルロチニブ単剤治療によって病勢コントロールが示されていた後に、1回以上CTスキャンで評価)で裏付けられていた間に、最低12週間のエルロチニブ単剤治療後に増悪した、③修正RECIST基準の定義で測定可能病変を最低1カ所有する、④ECOG PSが0~2-などが含まれた。


主要評価項目はPFSであり、エルロチニブと標準化学療法の併用療法によって、標準化学療法単独よりも50%向上する(3カ月から4.5カ月に向上)と仮定した。患者登録数は統計的検定力を得るため各群39例を計画していたが、登録が少なく予定に満たなかったため試験は途中で中止された。


対象被験者は46例。エルロチニブ(150 mgを2~19日目に1日1回経口投与)にペメトレキセドまたはドセタキセルの標準化学療法(ペメトレキセド500 mg/㎡またはドセタキセル75 mg/㎡を1日目に投与)を加える群(22例)か、標準化学療法(ペメトレキセド500 mg/㎡またはドセタキセル75 mg/㎡を1日目に投与)だけを行う群(24例)に無作為に割り付けた。化学療法は最大8サイクルとし、エルロチニブは8サイクル後も継続可能とした。


患者背景は、女性がエルロチニブ併用群で12例、化学療法単独群は19例(p=0.075)、平均年齢はエルロチニブ併用群が63.5歳、化学療法単独群67歳(p=0.595)、EGFR遺伝子変異陽性がエルロチニブ併用群で14例、化学療法単独群17例(p=0.807)、前治療の効果ははPDがエルロチニブ併用群で2例、化学療法単独群0例、PRがエルロチニブ併用群3例、化学療法単独群2例、SDが両群とも13例だった(測定不能が9例、奏効情報の欠落が4例)。


◎PFSは化学療法単独群5.4カ月に対し、エルロチニブ併用群は4.6カ月


治療の結果、PFSはエルロチニブ併用群は4.6カ月だったのに対し、化学療法単独群が5.4カ月で2群間に有意差はなかった(p=0.569)。各時点のPFS(6、12、18カ月)において、性別や人種、EGFR遺伝子変異の有無など患者背景別に階層化して検討した結果においても、有意に関連する因子はなかった。


また、生存についてもエルロチニブ併用群は14.7カ月だったのに対し、化学療法単独群が18.7カ月で有意差はなかった(p=0.295)。サブセット解析では、唯一性別が有意な関連因子であったが(女性において各時点でのOS達成率が高い)、EGFR遺伝子変異の有無をはじめとして、その他の因子に関連性は見られなかった。


有害事象は、グレード3/4がエルロチニブ併用群は72.7%だったのに対し、化学療法単独群で33.5%と有意に高かった(p=0.01)。


以上の結果から研究グループは、同試験では多くがEGFR遺伝子変異陽性の患者であったものの、これらの患者にとって病勢進行後もエルロチニブの投与を継続する明確なべナフィットは得られなかったと結論した。また、エルロチニブによる併用療法がある特定の患者群に有効かどうかは、より詳細なデータが待たれるとする一方で、エルロチニブの追加により、重篤な有害事象が更に増加していることから、同治療法を行う場合は、患者選定や副作用管理などに十分な注意が必要であると警告した。


 

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