EU製薬団体 市販後リスク管理計画の緩和を要求
公開日時 2013/12/26 03:50
欧州製薬団体連合会(EFPIA)と欧州セルフメディケーション産業協会(AESGP)は、市場で長期に販売されている医療用医薬品および古いOTC医薬品について、欧州のいくつかの国々では、これら製品が安全性確保のために医療用の先発品と同じように安全性管理法に基づきリスク管理計画の対象とされているのは、不合理であるとの提案を欧州医薬品庁(EMA)に提出する考えだ。
両団体が、今回の提案を作成する経緯は、EMAの「市販後監視モジュールV」(Good Vigilance Practice module V)が近く改定されることが予定されているためである。同モジュールの一部改定は2012年7月からEU内で施行されてきた。
EUでは、すでに古い製品については、現場で安全性の懸念が見られない限りリスク管理計画の緩和を行ってきているが、統一されたものとなっていない。たとえば、ある企業が後発医薬品(GE)を発売している場合、さらに別の国や別の部署からそのGEを発売しようとする場合、法律(Article10)により、同製品を「well established product」として登録できる。(登録することによって)少なくとも発売10年を経過した同製品を持つ製薬企業は、安全性の経験に基づき、リスク管理計画(RMP)を緩和できる資格を持つ。また、EUでは、GEに対しては、簡略RMPを認めている。
しかし、同法(Article10)が施行される以前に承認された古い先発品はその対象から除外されている。EU法のもとでは、企業は承認のために用いられた販売承認のステータスを変更することはできないため、これら古い製品は「established product」として扱われない。したがって、企業は同製品をEU以外の国々で販売したり、別の製品名で販売する可能性もある。
このような観点から、EFPIAは、法的ステータスではなく、製品の販売履歴や経験からRMPの要件を緩和することを求めている。
EFPIAは、提案の狙いは、承認申請から長期間経過しているために「established product」としての法的ステータスを持たないが、実質的に「established product」と同じ特質をもっている製品であることを理解してもらうことだとしている。AESGPが、EFPIAと共同で提案を行っている理由は、古いOTC製品に使用されている資源を減らすことができるからである。
EFPIAは、AESGPがOTCの安全性確保には(OTCの)イノバティブな製品へリソースを投入してほしいと望んでいると話している。
両団体のRMP緩和提案では、EMAに受け入れられると、RMPの要件は、新たな市販後監視法規の精神に沿って、リスクに応じた段階的なものになる予定だ。AESGPは、「RMPの緩和は、規制者や業界の負担を軽減させる」と期待感を示している。
The Pink Sheet 12月2日号