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米財務省 節税目的のinversion対策を発表

公開日時 2014/09/26 03:50

米財務省は9月22日、米国における節税を目的として本社を海外に移転させる海外企業買収(inversion)を困難にする対応策を発表した。


Inversionについては、米ファイザーの英アストラゼネカ(AZ)買収オッファーの目的の1つとして掲げられ、にわかに注目を浴びた。米企業が海外企業を買収し、法人税率の高い米国から、税率の低い英国などへ本社を移転させることをInversionあるいはTax Inversionと呼ぶが、その後、7月18日に米アッヴィがアイルランドのシャイアの買収を発表するなど、製薬業界でもその動きが活発化してきた。他業界では、6月15日に、医療機器企業メドトロニックがアイルランドの医療機器企業コヴィディエンの買収に合意したほか、8月26日、米ハンバーガーチェーンのバーガーキングがカナダのコーヒーチェーン店ティム・ホートンを買収することを発表している。


オバマ大統領は、そのような動きをする企業を「非愛国者」と非難するなど、米政府は、税収の減収が予想される中、何らかの対策が迫られていた。連邦議会での対応が進まない中、各業界でのInversionを目的とした買収が相次いだため、財務省は早めに手を打った格好となった。

今回、財務省が打ち出した対応策は、*Inversionを試みる企業が、利益に課税されないように、「hopscotch」(ケンケン遊び)と呼ばれる融資金を海外に移転させ、これを資金調達の手段として利用しているが、これを利用できなくすること、*米国での課税を回避するために(買収した)海外子会社からの現金や資産を新規海外本社へ移転する抜け穴を防ぐこと、*一部資産を新規に設立した海外企業に移転させることで業務の一部での利益への課税を回避する「spinversion」と呼ばれる租税回避策を防ぐこと―などを発表した。


Jacob J Lew財務長官は、「Inversionによる取引は、我々の法人税の基盤を侵食するものだ。中小企業や真面目に働く米国人を含め他のすべての納税者に不公平を押し付けることになる」とInversionを非難したうえで、「本日、重要な第1歩として、財務省は、企業によるInversionの経済的ベネフィットを減らし、できれば、それを食い止めるための具体的なアクションを発表した。このアクションは、米国での課税を避けようという企業の意欲を削ぐだろう。Inversionを考える企業にとっては、本日の発表は、それがもはや経済的にメリットがないことを意味する」とコメントした。


今回の対応策は、同日から適用されるが、今後、Inversionを試みる企業にどのような影響が出るか未知数である。しかし、24日のロイター通信は、この発表を受けて、ファイザーの買収の対象とされたAZの株価がロンドン市場で3.6%、ファイザーの株価はニューヨーク市場で0.4%下落、アッヴィの株価は2%下落したことを報じた。


 

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