武田薬品 統合失調症で開発中のPDE1阻害薬 開発・販売権を導入先に返還
公開日時 2014/11/06 03:50
武田薬品は11月4日、統合失調症に伴う認知機能障害の治療薬として開発を進めていたホスホジエステラーゼ(PDE)1阻害薬について、導入先のIntra-Cellular社に独占的開発・販売権を返還すると発表した。ITI-214(開発コード)では第1相試験(P1)が進行中で、対象には日本人も含まれていた。両社の契約終了に伴い、試験は中断するという。
同社は▽消化器系疾患▽オンコロジー▽中枢神経系疾患▽代謝性・循環器系疾患の4領域を重点開発領域と位置付けているが、同社広報部は「パイプラインを検討し、優先順位を見直した結果、返還することになった」と説明している。
今後は、Intra-Cellular社が全世界における開発・販売権を有し、中枢神経系疾患、心血管系疾患や他の疾患の治療薬として開発を進める予定。PDE1阻害薬は、統合失調症、アルツハイマー病、他の神経性疾患や精神疾患を伴う認知機能障害の治療薬として開発され、注意欠陥多動性障害、パーキンソン病への効果も期待されている。