日本保険薬局協会調査 4割が在宅指導実施 増加傾向 医師との意見交換、連携強化望む
公開日時 2015/03/17 03:52
日本保険薬局協会(NPhA)が会員薬局を対象に行った在宅医療への対応などに関する調査によると、訪問薬剤管理指導を実施しているのは、1年前の調査より13.5ポイント増の44.2%だった。増加傾向にあり、現在実施していない薬局でも3割が今後「実施予定」と回答し、会員の保険薬局が在宅医療に積極的な姿勢を見せていることがうかがえた。今後、保険薬局が在宅を含む地域のチーム医療に参画する際、必要な取り組みとして最も多かったのが、治療方針に関し医師と意見交換する環境づくりで、次いで地域での薬局、医療機関の連携強化だった。
調査は1月20日から2月12日までウェブで行い、2266の会員薬局から回答を得た。4割が訪問薬剤管理指導を実施していたが、実施薬局の薬剤師数は約6割が2~4人。訪問指導料の算定は月20件未満が79.4%と8割。指示は、61.4%が診療所からだが、一般病院からも29.5%と3割に上り、病院指示の割合は増加傾向にある。まだ、調剤報酬化していないものの、点数化に向けて取り組んでいることとして最も多かったのが「残薬管理」(32.1%)で、次いで「持参薬の整理、管理」(22.7%)だったる
在宅への参画に伴い「地域連携パス」では、76.7%が活用していなかった。他の医療・介護従事者とのカンファレンスに参加しているのは30.2%と3割だが、1年間の調査より7.2ポイント増で、年々増加傾向にある。
在宅医療 約7割が薬剤師職能の発揮「不十分」 多職種との関わりが少ないため
在宅医療において職能を発揮できているかを尋ねたところ、67.0%と約7割が「できていない」(どちらかというとできていない57.4%含む)で、その理由として過半数を超える回答があったのは▽「調剤、薬歴に時間がとられ、患者とのカウンセリング時間が十分にとれない」(61.0%)▽「他職種との関わる場面が少ない」(58.8%)--だった。
在宅医療に関して希望する情報で最も多いのが「在宅の実務」で47.6%、次いで「地域の在宅医療情勢」の29.8%。
情報の主な入手先は多い順に、法人本部(30.8%)、薬剤師会(20.5%)、インターネット(15.6%)。企業からは医薬品卸が5.1%、製薬会社は2.1%にとどまった。