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米初のバイオシミラー発売遅れる:特許係争の影響 

公開日時 2015/05/19 03:50

米食品医薬品局(FDA)が今年3月6日付で承認した米国初のバイオシミラー(BS)である、サンド社(スイス・ノバルティス子会社、本社:ニュージャージー州プリンストン)のG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)製剤フィルグラスチムの発売が、特許係争を理由に遅延する見込みとなった。米一般紙「The Wall Street Journal」電子版5月7日付および米医薬専門誌などが報じた。


同剤は、アムジェン社のNeupogen(フィルグラスチム)のBSで、製品名はZarxioである。米国連邦巡回裁判所(ワシントンDC)は、5月5日、米市場でのZarxioの販売の差し止めを求めていたアムジェン社の訴えを認め、係争が解決するまで、その発売を差し止めるとの判断を下した。


サンドは、係争発生後、まだ発売を行っていないが、この判決により、少なくとも同裁判所での次回公判が予定されている6月3日まで発売が遅れることが確実となった。


アムジェンは、昨年、サンフランシスコの連邦裁判所にサンドがアムジェンに対して米関連法規で求められているZarxioの一定の情報の公開を怠ったこととサンドがNeupogenの特許を侵害しているとして提訴した。今年3月、サンフランシスコの連邦判事は、アムジェンによるサンドのBSの発売差し止め請求を棄却した。一方、特許係争には触れず、その件は保留となった。アムジェンはこの判決を不服として、米国連邦巡回裁判所に上訴した。


医薬品業界関係者および関係法律家は、今回の係争の結果が、先発生物製剤より安価なBSが米国市場で「大きな波」を作る道筋になるかも知れないためこの問題の行方に注視している。


サンド親会社ノバルティス米法人の広報は、今回の係争が直ちに解決し、近い将来、Zarxioが発売できることを期待していると話した。一方、アムジェンは、今回の上訴審の差し止め命令を歓迎するとコメントした。Zarxioの適応は、Neupogenと同様、好中球減少症で、骨髄抑制化学療法受療中のがん患者、導入化学療法もしくは地固め化学療法を受療中の急性骨髄性白血病患者、骨髄移植施行中のがん患者、自家末梢血液前駆細胞採取および治療施行中の患者、および、重度慢性好中球減少症患者を対象としている。Neupogenの昨年の米国売上は8億3900万ドルだった。


 

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