日本新薬とファイザー がん性疼痛・慢性疼痛薬ワントラム錠を新発売 即効性と持続性を両立
公開日時 2015/06/03 03:52
日本新薬とファイザーは6月2日、経口持続性鎮痛薬ワントラム錠100mg(一般名:トラマドール塩酸塩)を同日に新発売したと発表した。即効性と持続性を両立させた1日1回投与の徐放性製剤で、非オピオイド鎮痛薬で治療困難ながん性疼痛や慢性疼痛に用いる。ファイザーが情報提供活動を行い、日本新薬が製造販売元として販売する。ファイザーではイノベーティブ医薬品事業部門のMRが主に担当する。
ワントラムは、現在販売中の1日4回製剤のがん性疼痛・慢性疼痛治療薬トラマールカプセル、同OD錠の有効成分トラマドール塩酸塩に、導入先のエンド社(アイルランド)が持つ独自の放出制御技術を適用し、即放性を持つ周辺部分と徐放性を持つ中心部分の二重構造により、即効性と持続性を両立させた。
トラマドール塩酸塩はドイツで合成された中枢性鎮痛薬で、世界100か国以上で様々な剤形で販売されている。日本で販売されているトラマドール製剤は全て即放性製剤だが、ワントラムはトラマドール製剤では国内初の徐放性製剤となる。両社は、「1日に複数回の服用が必要な即放性製剤と比較し、(ワントラムは)1日1回投与という利便性の高さから服薬アドヒアランスの向上が期待でき、安定した鎮痛効果が得られる」とし、「長期間にわたって疼痛コントロールが必要な患者にとって大きなメリットにつながる」とコメントしている。
ワントラムの用法・用量は通常、成人にはトラマドール塩酸塩として100~300mgを1日1回経口投与する。症状に応じて適宜増減するが、1日400mgを超えないようにする。薬価は同剤100mg1錠119.10円。中医協資料によると、ピーク時売上は64億円(9年後)。