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地域医療構想は具現化の段階へ 厚労省検討会が構想策定後の対応方針と病院機能報告改善策

公開日時 2016/03/11 03:51
厚労省医政局の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」は3月10日、都内で最終会合を開き、地域医療構想策定後の地域における議論の進め方の方針と病床機能報告の改善策をまとめ、地域医療構想は具現化の段階に入ることになった。地域医療構想では最終報告段階でも、圏域内での病床転換や医療連携の必要性、在宅医療体制の確保などの施策の方向性を示すにとどまる。具現化は構想策定後、圏域で構想を策定してきた会議体(地域医療構想調整会議など)に委ねられており、今回、検討会が議論の進め方を示した。病院機能報告の改善策は16年10月報告に向けたもので、これらにより今後、地域では各病院の将来構想と地域医療体制の再編が絡んだ具体性を帯びた議論になるとみられる。製薬企業、卸としても注視する必要性が高まる。
 
都道府県内で策定が進められている地域医療構想は16年半ばには出揃うとみられる。策定後については同省が示す策定ガイドラインは、都道府県が医療機関の自主的な取り組みを促す支援をするとともに、構想を策定してきた地域医療構想調整会議で実現に向けて議論するよう求めている。議論の進め方として「現状と将来の認識共有」→「課題の抽出」→「具体的な病床の機能の分化及び連携の在り方についての議論」→「地域医療介護総合確保基金を活用した具体的な事業の議論」--と例示している。
 
検討会は、その議論のポイントを「『地域医療構想の策定後の実現に向けた取組』における地域医療構想調整会議の進め方」にまとめた。議論の流れの一例として、地域で不足する医療機能を疾患ごとに把握、関係者間で共有した上で、必要な医療提供体制に向けた課題を抽出。確保策は方向性ではなく、対応策として具体的に検討することを求めている。
 
この中では、地域で複数の医療機関が同様の機能を担い、近接しているケースに触れ、「住民の理解を得ながら、医療機能の分化及び連携のあり方及びより質の高い医療提供体制の構築に向けた議論を行う。ただし、病床や機能の転換は経営的な影響が大きく、経営面での配慮を丁寧に行う必要がある」と進め方を例示。
 
医療圏での救急搬送時間や疾患ごとの病院までのアクセス時間が長い場合では、「交通事情の変化、例えば、高速道路の整備計画やドクターヘリなどその他の搬送システムの整備なども合わせて検討する」と論点を示した。
 
病床機能報告の改善策は、実態を反映していないなどの指摘を受けたもの。同省は16年10月報告に向けて報告マニュアルを見直し、夏ごろに都道府県に提示する。地域包括ケア病棟入院料は、急性期と回復期だけでなく、慢性期機能の選択もありうることを認めることになった。
 
相澤孝夫委員(日本病院会副会長)は、機能報告について医療機関が自らの機能を認識し、将来ビジョンを反映するものだとして、そのメッセージを強めるとともに、各病院に検討時間が必要だとして夏前にマニュアルを提示するよう求めた。構想の具現化の検討が始まる時期と病院機能報告の時期が重なるところもあり、そのような地域の病院は自院の機能と将来構想を地域医療体制の中でどう位置付けるかが、これまで以上に迫られることになるとみられる。
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