MSD がん免疫療法薬ペムブロリズマブ 大鵬薬品と日本で共同販促契約締結
公開日時 2016/04/12 03:51
MSDは4月11日、承認申請中のがん免疫療法薬の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(一般名)について、大鵬薬品と日本で共同販促する契約を同日に締結したと発表した。ペムブロリズマブでがん領域に本格参入するMSDは、がん領域のリーディングカンパニーの1社で強固な営業基盤と実績を持つ大鵬と共同販促した方が、ペムブロリズマブの製品価値の最大化につながると判断した。大鵬は、がんに対する新たな治療選択肢のひとつと期待されるがん免疫療法薬を手掛けることで、「がん患者に一層貢献できる」と判断した。
MSDは15年7月にオンコロジービジネスユニットを新設したが、その詳細やがん領域を担当するMR数は開示していない。大鵬はMR約700人体制でがん領域製品の情報提供・収集活動を行っている。ただ、大鵬は本誌取材に、「全MRがペムブロリズマブの知識は身につけるが、ペムブロリズマブのプロモーションを全MRが行うかどうかについて決定事項はない」と述べ、実際にペムブロリズマブの情報収集・提供活動を行うMR数は「未定」と説明した。
がん免疫療法薬は免疫系に作用するため、全身の様々な臓器で免疫関連の有害事象が報告され、副作用マネジメントが特に重要となる。ペムブロリズマブを使用できる医療機関数が現時点では不明なため、同剤の情報提供活動を行うMR数も未定と説明したと思われる。
ペムブロリズマブは15年12月に悪性黒色腫で、16年2月に非小細胞肺がんで申請し、▽膀胱がん▽乳がん▽胃がん▽頭頸部がん▽多発性骨髄腫▽食道がん――はフェーズ3、▽大腸がん▽ホジキンリンパ腫▽進行性固形がん――はフェーズ2段階にある。胃がんは厚労省の先駆け審査指定品目の指定を受けている。