【World Topics】トレンドになるか?オンライン診療
公開日時 2016/06/16 03:50
米国では、 加入者へのサービスの一環として、また従業員へのベネフィットとしてオンライン診療を提供する保険会社や企業が増加している。
保険会社大手のAnthemは遠隔医療サービス・プロバイダーLiveHealth Online社と提携し、加入者に年中無休の24時間テレヘルス・サービスを提供している。
https://www.livehealthonline.com
だが、LiveHealth Online社のサービスは「ブラインド・デートみたい」とAnthem担当者は言う。サービスのユーザーは要請に応えて対応してくれる医師や看護師を選べないからだ。
サービスの利用者が医師や看護師を選べる仕組みを新たに導入し、同業他社との差別化を目指すのは、すでに全米1億人に遠隔医療サービスを提供しているというテレヘルス大手のAmerican Wellだ 。同社CEOで医師でもあるDr. Schoenbergは「オンライン診療でも、患者はどの医師にかかるか、どの看護師に世話してもらいたいか選びたいと思うのが普通」と言い、その当たり前の要求に応える仕組みを実現したという。
https://www.americanwell.com
オンライン診療が急激に普及する中で、メディケアはまだテレヘルス・サービスを取り入れていない(保険診療と認めていない)。連邦政府管掌の医療保険としては、州境を越えて診療行為がなさレル可能性のあるテレヘルスは現在の医療法の規制に抵触するとの恐れがあり、取り入れられないという理由を挙げているが、実際には、簡単に利用できるテレヘルスに保険証感を認めると、その簡便さゆえに受診が増大して医療費がかさむことを憂慮しているとみられている。
だが一般には、テレヘルスの導入によって、夜間や休日など時間外の 病院の救命救急センター(Emergency Room)や、救急治療センター(Urgent Clinic)の利用が減り、むしろ医療費を節減できるとの声が高く、保険会社や企業によるテレヘルス・サービス利用は急激に増加している。(医療ジャーナリスト 西村由美子)