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米マサチューセッツ州 肝炎治療薬でギリアドとリベート合意

公開日時 2016/07/06 03:50

米マサチューセッツ(MA)州政府は6月30日、米ギリアド・サイエンシズ社と同社C型肝炎治療薬を公的保険メディケイド(低所得者保険)においてギリアドがMA州に支払うリベートの増額に合意したと発表した。

合意の対象となったのは、ソバルディ錠(ソホスブビル)とハーボニー配合錠(ソホスブビル/レジパスビル配合剤)の2剤。MA州は、かねてから両剤を含めたC型肝炎治療薬は州が運営するメディケードの財政を逼迫させることを問題視しており、今年2月にはMA州のMaura Healey司法長官は、同社に薬価を引き下げない場合には訴訟も辞さないと文書を送るなど警告していた。米医薬・議会情報誌「STAT」によると、訴訟事由は、薬剤が高薬価で患者の手の届かないものになっており、同州の消費者保護法(CPA)に違反するというものだった。

数か月の交渉の結果、ギリアドが妥協した格好となったようだが、リベートの金額や値下げによりどの程度の財政削減効果が生まれるかなどは明らかにしていない。

MA州は、今回の合意により、C型肝炎患者の約80%のメディケイド加入者にハーボニー配合錠が使用できることになるとしている。

Charlie Baker知事は、「MassHealth(MAメディケード)の新規リベート・プログラムは、数千人のC型肝炎患者の治療を向上させ、わが州に高い経済価値をもたらす」と財政面でのメリットは大きいとの考えを示した。その上で、「私は、州およびギリアドがともにC型肝炎患者に生活を改変させる治療法を供給できる合意に至ったことを喜んでいる」と歓迎した。

ソバルディが発売された2013年12月から2016年1月までの約2年間に、MassHealthでは州管理の開業医保険(PCC)において約2830人にC型肝炎治療薬を給付、州契約のマネージドケア機関(MCO)では1600人に給付を行った。これだけの給付で経費は3億1800万ドルに達した。

Maura Healey司法長官は、ソバルディ錠、ハーボニー配合錠は薬価が高く、必要とする患者が手の届かない面があったと指摘した。その上で、「このリベート合意が、C型肝炎に悩む人々に必要とする治療法へのアクセスを拡大し、納税者の負担を軽減する」とコメントした。

今回の合意の実施は今年8月となる。なお、MassHealthの加入者は185万人である。

 

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