大塚グループの医療機器会社KiSCO 綿形状人工骨の国内販売権を獲得 2020年承認見込み
公開日時 2016/08/24 03:50
大塚ホールディングス(HD)傘下で整形外科用医療機器を扱うKiSCO(兵庫県神戸市)は8月23日、日本の医療機器ベンチャー・ORTHOREBIRTH社(神奈川県横浜市)が開発した世界初の綿形状の人工骨「ReBOSSIS」について、日本での独占販売権契約を締結したと発表した。ORTHOREBIRTH社が日本向けに一部改良する形で開発を進め、2020年の承認取得を目指す。大塚グループとしての医療機器事業の強化の一環で、成長が見込まれる人工骨市場でのシェア拡大を狙う。
「ReBOSSIS」は、綿のような人工骨素材で、骨の欠損部位に合わせて加工する必要がなく、充填のしやすさが特徴の一つ。骨折や腫瘍で失われた骨の代替や、脊椎手術、人工関節手術で生じた骨の欠損部に用いる。米国では2015年に既に販売されている。
KiSCOは、大塚HDで医療機器事業を統括する大塚メディカルデバイスの子会社。15年度売上高は約20億円で、主力の脊椎の固定材料や骨の接合材料の売上がほとんどを占めるという。人工骨については日本特殊陶業のセラミック系骨補填剤セラタイトを08年から扱っている。日本の人工骨市場86億円のうち整形外科領域は約60億円(14年度)といい、大塚側は将来的にシェアを10%程度に引き上げたいとしている。