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中医協総会 期中薬価引下げの機運高まる 診療側・薬価制度の抜本的な見直し迫る

公開日時 2016/09/29 03:51

厚生労働省は9月28日の中医協総会に、2015年度の概算医療費が対前年度比3.8%増の41.5兆円、中でも薬剤費はC型肝炎治療薬の薬剤料が医療費の伸びを牽引したと報告した。診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、薬剤料の伸びを抑制するために、薬価制度の早急、かつ抜本的な見直しを迫った。その上で、財務省から社会保障費の伸びを自然増で見込まれる6400億円から5000億円に抑制することを求められていると指摘。「必要な医療費として伸びるのは問題ないし、そうするのが医療だ」とした上で、「医療費の伸びのほとんどが薬剤費ということであれば、我々が中医協でやることは明らかになった」と述べた。年末の予算編成に向け、抗がん剤・オプジーボなどを対象にした期中の薬価引下げを含めた“緊急的な対応”への気運が一気に高まった。


◎C型肝炎治療薬の薬剤料寄与率は「1%前後」 中川委員



2015年度の概算医療費は対前年度比3.8%増の41.5兆円。特に、調剤が9.4%と大きく伸び、医科入院外も3.3%増となった。調剤医療費は、処方せん1枚あたり7.3%増、薬剤料(調剤医療費ベース)は9.2%増となった。2011年度の薬剤料は7.2%増、13年度は6.8%増で、診療報酬改定のない年と比較しても伸びたことになる。中でも、C型肝炎治療薬を含む抗ウイルス剤の薬剤料が249.1%と大きく伸長した。医療費ベースでみても、C型肝炎治療薬を含む化学療法剤が0.77%押し上げた。

診療側の中川委員は、日医総研の推計として、「入院外の院外処方分だけの薬剤料でも1.5%。院内処方分を加えると、ほぼ2%になるのではないか」と述べ、急激に薬剤料が膨らんでいると指摘し、C型肝炎治療薬の処方が「1%前後の寄与率ではないか」と述べた。

その上で、「国民医療費の伸びの大半は薬剤費だということが明らかになったのではないか。現在、中医協で最大の課題として議論されている薬価の決め方、原価計算方式と類似薬効比較方式ともに、抜本的な見直しを早急にやるべきだ」との考えを示した。


薬剤料の伸びを牽引したC型肝炎治療薬だが、IMSデータ(薬価ベース)によると売上高は、ハーボニー配合錠が発売直後の2015年10~12月に1101億円、16年1~3月には1517億円を売上げたが、これをピークに4~6月では698億円まで減少している。ソバルディ錠も同様に、2015年7~9月の433億円、643億円(同10-12月)から、391億円(16年1~3月)、246億円(同4~6月)と推移している。

両剤ともに、2016年度薬価改定で特例拡大再算定の対象となり、大幅な薬価引下げとなったことも大きく影響した。厚生労働省保険局の中山智紀薬剤管理官は、ハーボニー配合錠、ソバルディ錠ともに、「特例拡大再算定による薬価の引き下げ率以上に下がっていることから、ピークは過ぎた。数量としても減っている」との見方を示した。


抗がん剤・オプジーボについても中川委員は触れ、医療費が年間1兆7500億円まで膨らみ、医療保険財政を圧迫しかねないと指摘されていることから、「1兆7500億円という推計が独り歩きしている。その数字は過大だと明確なメッセージを発信してもらえないか。議論がおかしな方向に行っている」と指摘。リアルタイムでのデータ把握、なども厚労省側に求めた。


◎後発医薬品使用体制加算で早くも火花



一方で、後発医薬品の促進による医療費の伸び抑制は、年間0.2~0.5ポイントであることも示された。後発医薬品の数量シェア80%目標が示される中で、推進する後発医薬品体制加算なども伸びていることが推測される。診療側の中川委員は、「後発品の使用促進にかかわる調剤報酬が年間1000億円。後発医薬品の8500億円の金額ベースの使用に対して1000億円の調剤報酬がついている状況はどうなのか」と後発医薬品使用体制加算の在り方について言及した。


これに対し、診療側の安部好弘委員(日本薬剤師会常務理事)は、後発医薬品の薬剤料(調剤医療費ベース)が2014年度の7195億円から2015年度には8502億円まで跳ね上がったと説明した。一方で、後発医薬品薬剤料は895円から1038円と微増にとどまっていることや、後発医薬品割合(数量ベース)で55%以上、65%以上の薬局が増加していることなどから、後発医薬品の使用促進が現場で浸透しているとの見方を示し、「効果をきちっと踏まえて議論していただきたい」と述べ、詳細な分析に基づいた丁寧な議論を求めた。


◎デパス・アモバン 投薬期間上限を30日間に



そのほか、この日の中医協総会では、政令の一部改正で新たに向精神薬に指定された精神安定剤・エチゾラム(製品名:デパス等)と睡眠障害改善剤・ゾピクロン(製品名:アモバン等)の投薬期間の上限を30日間とすることも了承された。10月13日までに通知の発出、11月1日に施行される見通し。

 

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